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12月1日のイソップ童話

キツネとカラス

キツネとカラス

  カラスが一切れの肉をくわえて、木の枝にとまっていました。
  キツネがそれを見て、肉を自分のものにしたいと考えました。
「カラスさん、あなたはじつに姿が良くてりっぱですね。本当に美しい。トリの王さまになれるのはあなたのほかにはまずいません。きっと、歌声もきれいなんでしょうね。どうか歌声を聞かせてくれませんか。もし、歌声もきれいなら、まちがいなしにトリの王さまですよ」
  おせじをいわれたカラスは、いい声を聞かせてやろうと、
「カァー、カァー」
と、泣いてみせました。
  肉をくわえたまま口をあけたので、くわえていた肉が下にいたキツネの前にぽとんと落ちてしまいました。
  キツネはすぐに肉に飛びつき、こう言いました。
「やれやれ、頭さえ良ければ、本当にトリの王さまになれたかもしれないのにね」

  この話は、おだてにのりやすく、考えのあさい人に聞かせる話です。

おしまい

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