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世界のとんち話 第30話
イヌとオンドリとキツネ
イヌとオンドリがなかよしになって、いっしょに旅に出ました。
日がくれると、オンドリは木の枝に飛び上がってねむり、イヌはその木のねもとのうろにねました。
ところが、夜があける前にオンドリがいつものように、
「コケコッコー」
と、ときをつげたので、遠くにいたキツネに聞こえてしまいました。
キツネはすぐにかけつけて、木の下からオンドリに向かっていいました。
「オンドリさん、とてもいい声ですね。あなたのような歌の上手な方とお友だちになりたいので、おりてきてくれませんか」
「いいですよ。でも、まずはうちの門番をおこしてくれませんか。この木のねもとのうろでねていますよ。門番が戸をあけたらわたしはすぐにおりていきますよ」
そこで、キツネが門番をさがしていると、イヌがいきなり飛びかかってきて、キツネを食い殺してしまいました。
頭のいい人は、敵におそわれてもあわてたりせず、うまくだまして、もっと強い人をあいてに差し向ける、と言うことをこの話はおしえています。
おしまい
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