心がジーンとする 日本の感動話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集 > ジャンル別 > 日本の感動 > 大いびき善六
お話しの移動
・ 福娘童話集

・ ジャンル別

・ 日本の感動話 (全30話)

→  1話 〜 10話
→ 11話 〜 20話
→ 21話 〜 30話
 


日本の感動話 第23話

大いびき善六

大いびき善六

 むかしむかし、善六(ぜんろく)という木びき(木を切り倒す仕事)がいました。
 大男のくせになまけ者でしたから、一日かかっても仲間の半分ほどしか仕事がはかどりません。
「善六かよ、あいつはとてもものになるめえ」
 みんなは善六を、「木びき」でなく「小びき」だと、ばかにしておりました。
 善六もおもしろくありません。
 そこで、近くの神社にお参りをして、日本一の大びきになれるに、願をかけることにしました。
「なにとぞ神さま、神社の前に寝そベっている、大きな石のウシをひけるほどの力をさずけたまえ」
 やがて満願(まんがん→願かけが終わる日)の日がきました。
 善六はためしに、寝そべりウシをひいてみることにしました。
 ギイコー、ギイコー・・・
 善六のノコギリは、たちまち石づくりの大きなウシを、まっ二つに切り割ってしまいました。
「やった! もう今までの、小びきの善六ではないぞ。これからは、大びきの善六さんと呼んでもらおうか」
 ところが、山へ入って仕事にとりかかったものの、さっぱりノコギリが動きません。
 ようすを見ていた親方が笑いました。
「善六よう。願かけがまちがってたんじゃねえか。木びきは木をひくのが仕事だ。おまえは石をひくことしか頭になかったろうが」
 善六は、ハッと目がさめました。
「そうだ、おらは力持ちをよいことに、いばっていたかもしんねい。もいっペん神さまにお願いしてみよう」
 善六の目からは、ポタポタと涙がこぼれていました。
「神さま、おらはちっこい丸太をひくことからやりなおしてみます。どうかお守りくださいまし」
 善六が一晩じゅうかかって、やっと一本の丸太をひき終えたとき、善六の腕には、まるで石のような力こぶができていました。
 その日から、善六は人が変わったように、仕事にはげみました。
 はげむにつれて、その仕事のたしかさが評判になっていきます。
 あるとき、江戸の工事現場ヘ出かけたことがありました。
 主人は大きなノコギリを背負って現れた善六を見ると、ちょっとからかってやろうと思いました。
「おい若い衆。ひいてみな。ただしスミのとおりだぞ」
と、大きな丸太に、スミで波のような模様(もよう)をえがいたのです。
「はい」
 善六は短く返事をすると、たちまち、波のような模様をひき終えました。
 大ノコギリ一つで、これほどのむずかしい模様をひき切るのは、たいした腕前です。
「まいったまいった。こりゃあ、たいしたもんだ」
 こうして善六の名は、江戸でも有名になりました。
 木びきの仲間たちは、
「善六かよ。ありゃあ、ただの木びきじゃねえ。大びきというもんだ。あのくらいのひき手は、広い江戸にも、ほかにあるみゃあよ」
と、うわさしたそうです。

おしまい

 前のページへ戻る

ジャンルの選択
・有名な話 日本 世界
・こわい話 日本 世界
・わらい話 日本 世界
・感動話 日本 世界
・とんち話 日本 世界
・悲しい話 日本 世界
・ふしぎ話 日本 世界
・恩返し話 日本 世界
・恋物語 日本 世界
福娘童話集
人気コーナー
きょうの新作昔話
未公開の童話・昔話を毎日
一話ずつ公開
おはなし きかせてね
福娘童話集をプロの声優・ナレーターが朗読
小学生童話
幼稚園から小学6年生まで、学年別の童話・昔話集
おくすり童話
読むお薬で、病気を吹き飛ばそう!

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診