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百物語 第九話

ネコの大カボチャ

ネコの大カボチャ

 むかしむかし、あるところに、ネコを飼(か)っている家がありました。
 ネコはすっかり年をとっていて、一日中、家の中でゴロゴロしています。
 ある日、その家のおかみさんが、カガミの前で化粧(けしょう)をしていたら、そこへネコが来て、
「まあ、きれい」
と、言いました。
「おせじでも、うれしいねえ。だれだい?」
 おかみさんがふり向いてみると、ネコしかいません。
「しゃべったのは、おまえかい? ・・・まさかね」
「はい、今日のおかみさん、ほんとにきれい」
「・・・!!!」
 そのとたん、おかみさんは部屋をとびだし、主人の部屋にかけこみました。
「たっ、たいへんだよ! うちのネコは化けネコだよ!」
「そんな、ばかな」
「なにがばかなもんか。化けネコでなくちゃ、ものを言うわけがない」
 おかみさんは、さっきのできごとをくわしく話しました。
 話を聞いているうちに、主人もだんだん恐ろしくなってきました。
「いまのうちになんとかしなくちゃ、おまえさんもわたしも食い殺されてしまうよ」
「そうだな。かわいそうだが、殺してしまおう」
 主人は庭(にわ)で寝ていたネコを、いきなり棒(ぼう)でなぐり殺し、その死がいをうらの畑にうめました。
「まよわず、成仏(じょうぶつ)してくれよ。なまんだぶ、なまんだぶ」
 一年間は、なにごともなくすぎました。
 その次の年、ネコをうめたところに、大きなカボチャがなりました。
 これまでに見たこともない大きなカボチャで、見るからにおいしそうです。
「これも、ネコを退治(たいじ)したおかげだ」
 主人は大喜びでカボチャをとり入れ、家中で食べました。
 ところが、カボチャを食べたとたん、みんな苦しみだして、まるでネコのようなうなり声をあげます。
 近所の人がおどろき、さっそく医者をつれてきてくれましたが、食あたりの薬を飲ませても、さっぱりききめがありません。
「カボチャを食べたぐらいで、こんなことになるとは、わけがわからん」
と、医者までもさじを投げだす始末。
「もしかしたら、なにかのたたりかもしれない」
 そこで、今度は占い師をよんできてみてもらったら、やっぱり、なにかのたたりのようです。
「近ごろ、生きものを殺したおぼえはないか?」
 占い師が、寝ている主人にたずねました。
「じつは一年前、ネコを殺して畑にうめました」
「原因はそれだ! ネコがうらんで、カボチャを食わせたのだ。ネコをうめたところを、もう一度掘りかえしてみよ」
 占い師に言われて、近所の人がカボチャのなっていた茎(くき)をとりはらい、根をほってみると、がい骨になったネコの口から、カボチャのくきが出ていました。
「やっぱり、占い師の言ったとおりだ」
 そこで、あらためてネコの墓をつくり、そこに骨を入れ、ねんごろにほうむってやりました。
 するとふしぎなことに、主人やおかみさんをはじめとして、カボチャを食べた者たちの病気がうそのようになおってしまったのです。
 それ以来、この家では、どこのネコであっても、家にやってくるネコを大事にあつかったそうです。

おしまい

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