心があたたまる 日本の恩返し話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
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日本の恩返し話 第6話

サルの恩返し

サルの恩返し

 むかしむかし、九州のお大名の家来で、勘助(かんすけ)という男がおりました。
 勘助の仕事は、手紙をかついで届ける、飛脚(ひきゃく→詳細)でした。
 そのころ地方の大名たちは、めずらしい刀や名刀が手に入ると、これを飛脚にたくして、江戸に運ばせたのです。
 勘助もいま、将軍さまに献上(けんじょう)するたいせつな刀をかかえて、東海道(とうかいどう)を江戸にむかっているのでした。
 さて、勘助が薩摩峠(さつまとうげ)という大きな峠にむかうとちゅう。
 小高いがけの上で、サルのむれが、キーキーと鳴きさわいでいます。
 勘助は、なにごとかと思って、海べのところまでいってみました。
「こりゃあ、たまげた」
 なんとおどろいたことに、一ぴきのサルが、ばけもののような大ダコにさらわれようとしています。
「よし、いま助けてやる!」
 勘助は、こしにさしていた刀をサッとぬいて、波打ちぎわにかけつけました。
「えいっ、えいっ、えいっ!」
 勘助は大ダコめがけて、思いっきり何度も何度も刀をふりおろします。
 ところが、この大ダコの体のかたいのなんの。
 刀は、あっというまにボロボロになってしまいました。
「こりゃあ、とんでもないばけものダコじゃ。たまったもんじゃないわい。こんなのにつきあってはおれん」
 勘助は、にげだそうとしましたが、そのとき勘助は、将軍さまへとどける刀を持っていることを思い出しました。
「そうじゃ、将軍さまにさしあげるこの刀なら、あのばけものダコをやっつけられるかもしれんぞ。将軍さま、ちょっくら、おかりしますだ」
 サルはもう、大ダコに海の中にひきずりこまれています。
 なかまのサルたちが海のほうを見て、心配そうにギャーギャーと、さわぎます。
 勘助はすばやくおびをとき、はだかになって将軍さまの刀を口にくわえて、ザップンと海にとびこみました。
 勘助は、大ダコの足にかみついてサルを助け出すなり、
「えいっ!」
と、将軍さまの刀で大ダコに切りかかりました。
 ところが、大ダコの体にあたったとたん、その刀が折れてしまったのです。
 勘助は、サルを助けて海べにあがってきたものの、その場にヘナヘナとすわりこんでしまいました。
「たいへんだあ。将軍さまにさしあげる刀が、折れちまっただよ。おらは、どうすればいいんだ」
 そのとき、なかまを助けてもらったお礼のつもりか、サルたちかやってきて、勘助に一本の刀をさしだしました。
「なんじゃ? 刀じゃないか。なんでサルがこんなもん、持っとるんじゃ」
 勘助はふしぎに思いながら、刀をぬいてみました。
「おおっ! なんというすばらしい刀じゃ。これなら将軍さまもよろこんでくださるぞ」
 これはよいものを手に入れたと、さっそく出かけようとすると、後ろからサルたちが、ゾロゾロとついてきました。
 サルの指さすほうを見ると、あのばけものダコが、こちらにせまっています。
 サルたちは、この刀でタコをやっつけてくれといっているのです。
「わかった、わかったよ」
 こうして勘助は、また海の中ヘ。
「てやあっ! とう! ややっ、すごい切れあじ。これなら勝てるぞ! さあ、どこからでもかかってこい」
 その刀はするどく、あっというまにタコをたいじしたのでした。
 勘助がサルからもらった刀は、刀づくりの名人、五郎正宗(ごろうまさむね)の名刀だったそうです。
 将軍さまは、この刀を「猿正宗」とよんで、いつまでも家宝として大切にしたということです。

おしまい

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