心があたたまる 日本の恩返し話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
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日本の恩返し話 第17話

ネコとネズミ

ネコとネズミ

 むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 ある日のこと、おじいさんが山の畑で草むしりをしていると、草むらに一匹の子ネコがいました。
「おおっ、可哀想に。腹を空かせとるようじゃな。どれ、一緒に家に帰ろうな」
 山で拾った子ネコを、おじいさんとおばあさんは、まるで自分の子どものように大事に育てました。
 ある日の事、納屋(なや→物置)の中で、何やら変な音がするのに気がついたネコが、納屋へ入っていきました。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪つゆのしっけをふきとばせ。
♪それやれ、みがけやみがけ、ネズミのお宝。
♪みがいてみがいて、ピッカピカ。
 納屋の床にある小さな穴の中から、ネズミたちの歌う声が聞こえてきます。
 次の日も、ネコは納屋に入ってみました。
 すると、キョロキョロとまわりを見まわしているネズミを見つけました。
 ネズミは袋からこぼれた豆を、拾おうとしています。
 そのとたん、ネコはネズミに飛びかかっていきました。
「ひゃ〜っ!」
 おどろいたネズミは、いまにも泣きそうな声でいいました。
「お願いです。どうかわたしを見逃して下さい。わたしたちネズミは、ネズミのお宝をみがかなくてはなりません。これは大変な仕事なのです。疲れがたまったのか、お母さんが病気で倒れてしまったのです。それで、お母さんに栄養をつけさせようと、豆を探しに出てきたところです。お母さんが元気になったら、わたしはあなたに食べられに出てきます。それまでどうか、待ってください」
「・・・・・・」
 ネコはネズミを、はなしてやりました。
「ありがとうございます。約束は必ず守りますから」
 子ネズミが穴の中へ帰ってしばらくすると、ネズミたちの前に豆がバラバラと落ちてきました。
 子ネズミが驚いて顔をあげてみると、なんとネコが、一粒一粒、豆を穴から落としているのです。
 子ネズミは豆をお母さんにわたすと、ネコの前に出ていいました。
「ネコさん、ありがとう。これでお母さんも元気になることでしょう。さあ、約束通り、わたしを食べて下さい」
 しかしネコは持っていた残りの豆を子ネズミの前に置くと、そのまま納屋から出ていきました。
「ありがとう。ネコさん」
 ネズミの目から、涙がポロリとこぼれました。
 それから何日かたった、ある日のこと。
 納屋のほうから、チャリン、チャリンという音がします。
 納屋の戸を開けたおじいさんとおばあさんは、目を丸くしました。
「これは、どうしたことじゃ?」
 なんと床の穴の中から、小判がどんどんと出てくるのです。
 そして小判のあとから子ネズミ、母ネズミ、ほかのネズミたちも出てきました。
 子ネズミが小さな頭をペコリと下げると、
「おかげさまで、お母さんの病気もすっかりよくなりました。本当にありがとうございました。それとネズミのお宝を無事にみがき終える事が出来ました。お礼に少しではございますが、この小判をお受け取りください」
と、山のように積み上げられた小判を指さしました。
「なんと、このお宝をわしらにくれるじゃと」
 それは、おじいさんとおばあさんが二人で暮らしていくには、十分すぎるほどのお宝でした。
 こうしておじいさんとおばあさんは、いつまでも何不自由なく、元気に暮らすことが出来ました。
 もちろん、ネコと一緒に、ネズミたちもとても可愛がったという事です。

おしまい

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