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日本のふしぎ話 第24話

キツネがついた幸助

キツネがついた幸助
静岡県の民話

 むかしむかし、東海道(とうかいどう)ぞいのある村に、幸助(こうすけ)という、まじめで働き者のお百姓(ひゃくしょう)が住んでいました。
 この幸助が五十五歳になった、ある日の事です。
 どうしたことか、幸助がきゅうにおかしくなったので、奥さんはおどろいて近所の人たちを呼んできました。
 幸助は掛け軸(かけじく)がかかった床の間(とこのま)を背にしてきちんとすわり、こんなことをいいだしたのです。
「われは、大友(おおとも)の白ギツネである。このたび豊川(とよかわ)の稲荷(いなり)さまのつかいとして、江戸までいくことになった。江戸からもどるときも、またこの家を宿(やど)にかりたい。世話(せわ)になったな」
 そういって、幸助は旅のしたくをはじめたのです。
 奥さんと近所の人たちは、幸助をあわてて引き止めると、ふとんに寝かせてしまいました。
「これは、キツネがついたんじゃ」
 みんなが心配していると、幸助はふとんから起きあがりました。
 そして、きょとんとした顔つきで、
「おや? なんで、みんなここにおるんだ?」
と、いうのでした。
 正気(しょうき)にかえった幸助にいろいろたずねると、幸助はそれまでの事を、全くおぼえていないというのです。
 何日かたつと、幸助はまたおかしなことをいいました。
「われは、さきに宿を借りた大友の白ギツネである。いま江戸からもどってきた。また世話になるぞ。われはいま、五百歳になる。ここは日本一の富士の山も近くにながめられて、とてもよいところじゃ。社(やしろ)をつくって、われをまつれ」
 しばらくして正気にもどった幸助にこの話をすると、幸助はまじめな顔つきで、
「これも何かの縁(えん)だ。その大友の白ギツネとかの頼みをきいてやろう」
と、いって、家の敷地(しきち)に小さなお稲荷(いなり)さんの社をつくり、自分は白い衣をまとって神主(かんぬし)になりました。
 神主になった幸助は、病気や大漁(たいりょう)のおいのりをたのまれると、あちこちにでかけていって一心(いっしん)にお祈りをしました。
 すると、どんな願いでもすぐにかなえられるのでした。
 けれども、つかれはてて家に帰ってくると、それまでの事はすっかり忘れてしまい、自分がどこへいって何をしてきたのかも、いっさい思い出すことが出来ないのです。
 また幸助は、これまで絵をかいたことなど一度もありませんでしたが、それなのに突然、名人がかくような見事な絵をかくようになったのです。
 特に富士山の絵はすばらしく、もらっていった人たちは、家の宝にして床の間にかけていました。
 この幸助にキツネがつくようになってから四年後、「富士景色」と名づけたりっぱな画集(がしゅう)を二冊を残して、幸助はこの世をさったとの事です。

おしまい

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