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日本のふしぎ話 第33話

海にしずんだ島

海にしずんだ島
大分県の民話

 むかしむかし、大分県には瓜生島(うりうじま)という島がありました。
 島にはいくつかの村があって、豊漁(ほうりょう)をもたらしてくれる恵比寿(えびす)さまがまつられていました。
 島には古くから、こんな言い伝えがあります。
「恵比寿さまの像(ぞう)が赤くなると、島が沈む」
 それを知っただれかが、恵比寿さまの顔にベンガラ(→酸化鉄の塗料)という赤い顔料をぬったのです。
 するとその夜、島がグラグラとゆれ動き、たった一夜のうちに島の人もろとも島は海に沈んでしまったのです。
 この日は、慶長元年(けいちょうがんねん→一五九六年)七月十二日だと言われています。
 さて、このとき近くにあったもう一つの島の久光島(ひさみつじま)は、海に沈むのをまぬかれましたが、この久光島にも、
地蔵(じぞう)さんの顔が赤くなったら、島が沈む」
と、いう、古くからの言い伝えがありました。
 瓜生島が海に沈むのを見た、久光島の人たちは、
「瓜生島に伝わる言い伝えは、本当だったんじゃ。それにしても、言い伝えをためしてみるなど、バカな事をしたものじゃ」
と、自分たちの島が沈まなかった事に、胸をなでおろしていました。
 ところが、それから二年後のことです。
 地蔵さんへのお参りにきた島の人が、地蔵さんの顔に赤いものがぬられているのを見つけて、大さわぎになりました。
「だれがあんなイタズラをしたんじゃ! 瓜生島でもバカなイタズラをして、島が沈んでしまったのじゃ」
「イタズラでもなんでも、今のうちに逃げた方がいい」
 そういって、久光島から逃げだした人もいましたが、
「まさか、そんなことがおこるわけがない」
と、大勢の人が、島から逃げだす人たちを見て笑っていました。
 するとその日のうちに、鶴見岳(つるみだけ)が大噴火(だいふんか)をして大津波(おおつなみ)が発生し、久光島は大津波にのみこまれて、瓜生島と同じように海にしずんでしまったという事です。

おしまい

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