福娘童話集 > ジャンル別 > 日本のわらい話 > お花とごんべえ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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むかしむかし、ある村にお花というキツネと、こんベえというタヌキが住んでいました。 ある日の事、お花とごんベえが、道でバッタリと出会いました。 「さあ? どっちが上手か、化け比べをしてみないとわかんないわ」 (女のくせに、なんてなまいきなキツネだ。見ていろ。かならず負かしてやる。・・・だが、何に化けたらいいのだろう?) 「ごんべえったら、どうせわたしに勝てっこないのに。まあいいわ。もう二度と化け比べをしようなんか、言い出せないようにしてやる」 さて、いよいよ化け比べの夜になりました。 そしてお花は本物の花嫁みたいにはずかしそうにうつむきながら、お宮さんへ行きました。 ところが鳥居(とりい)をくぐろうとして、ふと下を見ると、ホカホカとゆげのたっているまんじゅうが落ちているではありませんか。 お花は思わず、つばを飲みました。 あたりを見回しましたが、ごんべえはまだ来ていないようです。 (うふふ。今のうちだわ) そのとたん、まんじゅうがパッとタヌキに変わったのです。 恥ずかしくなったお花は花嫁姿に化けているのも忘れて、尻尾を出したまま逃げてしまいました。 おしまい イラストレーターの夢宮 愛さんが、その後のお話しを描いています。 |
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