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7月16日の日本民話

大蛇に変身した奥さん

大蛇に変身した奥さん
山梨県の民話

 むかしむかし、ある村に、二十八歳になる美しい庄屋(しょうや)の奥さんがいました。
 とてもはたらき者でやさしい、近所でも評判の奥さんでしたが、ある日の事、この奥さんは夫の浮気(うわき)で頭がおかしくなり、家から走りでると、近くにある池に身を投げてしまったのです。
 奥さんのあとを追って池までいった庄屋の家の者たちは、目の前の光景(こうけい)にビックリ。
 なんと池の中へ身を投げた庄屋の奥さんが、ものすごい顔の大蛇(だいじゃ)に変身(へんしん)して、しぶきをあげながら水の中へ消えていったというのです。
 庄屋の家の者たちは、大慌てで家にもどってくると、この事を主人につたえました。
 庄屋がすぐに役所(やくしょ)へとどけたので、やがて十数名の役人(やくにん)たちが取り調べにやってきました。
 そして、池の中で死んで浮きあがっている大蛇を、岸(きし)にひきあげて調べたのです。
 庄屋の奥さんが変身した大蛇の長さは約三メートルで、頭にはまだ髪の毛が少し残っていましたが、小さな角が六本生えていたということです。
 そして胴体からは、二本の足のようなものがでていました。
 役人たちは大蛇のうろこの数を二十六枚と、きちんと数えあげて帰っていったという事です。

おしまい

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