なみだがポロリ 日本の悲しい話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集 > ジャンル別 > 日本の悲しい話 > 朝顔
お話しの移動
・ 福娘童話集

・ ジャンル別

・ 日本の悲しい話 (全30話)

→  1話 〜 10話
→ 11話 〜 20話
→ 21話 〜 30話
- 広 告 -
 


日本の悲しい話 第4話

朝顔

朝顔
東京都の民話

♪音声配信
スタヂオせんむ

 むかしむかし、江戸(えど→東京都)に、岡田弥八郎(おかだやはちろう)という(さむらい)がすんでいました。
 弥八郎(やはちろう)には、ただ一人の娘がいて、その名をしずといいます。
 しずは朝顔の花が大好きで、十四才のときに朝顔のつぼみを見つけて、こんな歌をつくりました。
♪いかならん
♪色に咲くかと
♪あくる夜を
♪まつのとぼその
♪朝顔の花
 父はこの歌をたんざくに書いて、妻に見せました。
「あの小さなむねに、どんな色に花が咲くであろうと、次の朝を待つ心じゃ」
「はい、まことすなおに、うたわれております」
 ところが娘のしずは、この年の冬にかぜをこじらせて、そのまま死んでしまったのです。
 残された父と母は、とても悲しみました。
 さて、夏も近いある日のこと。
 母がなにげなく娘の手箱(てばこ→小物入れ)を開けてみると、中には小さな紙包みがいくつも入っていました。
 そしてどの包みにも細いきれいな字で、桃色、空色、しぼり(→青色の一種)、などと、色の名が書きしるされていました。
 一色ずつ紙にていねいに包んだ、その色の朝顔のタネです。
(ああ、娘はこのタネをまいて、それぞれの色の美しい花の咲くのを、どれほど見たかった事でしょう)
 そう思うと母はたまらなく、せつなくなりました。
「そうだわ。せめてこのタネをまいて、娘をとむらいましょう」
 母は庭に、その朝顔のタネをまきました。
 日がたってつるがのび、やがてつぼみがつきました。
 ある夏の朝、弥八郎(やはちろう)を仕事に送り出した母は、ふと庭の朝顔を見ました。
 すると、美しい一輪の花がパッと咲いていて、その花のそばに娘のしずが立っているではありませんか。
「おおっ、しず、しずかい?」
 母が思わず声をかけると、娘はうれしそうにニッコリほほ笑み、そして小さな声で、
「お花をありがとう」
と、いって、そのままスーッと消えてしまいました。
 夕方になって父の弥八郎(やはちろう)が帰ってきたとき、夕方にはしぼむはずの朝顔は、まだ美しい色で咲いていたという事です。

おしまい

 前のページへ戻る

ジャンルの選択
・有名な話 日本 世界
・こわい話 日本 世界
・わらい話 日本 世界
・感動話 日本 世界
・とんち話 日本 世界
・悲しい話 日本 世界
・ふしぎ話 日本 世界
・恩返し話 日本 世界
・恋物語 日本 世界
福娘童話集
人気コーナー
きょうの新作昔話
未公開の童話・昔話を毎日
一話ずつ公開
おはなし きかせてね
福娘童話集をプロの声優・ナレーターが朗読
小学生童話
幼稚園から小学6年生まで、学年別の童話・昔話集
おくすり童話
読むお薬で、病気を吹き飛ばそう!

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診