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日本のとんち話 第49話
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三衛門と博労
福井県の民話
むかしむかし、能登半島(のとはんとう)の先に引砂(ひきすな)という村があり、三右衛門(さんうえもん)という百姓(ひゃくしょう)が住んでいました。
背たけの小さい男ですが、たいへん頭のよい男です。
ある日の事、ウマ市にたくさんの博労(ばくろう→ウマを売買する人)があつまってきました。
三右衛門は、その博労に向っていいました。
「おれのウマは金のクソをするんだぞ、すばらしいウマだろう。だれか買う者はいないか?」
これを聞いた博労たちは本気にして、おたがいにウマをせりあらそって値をつけました。
その中のよくばりの一人が、とても高い値でウマを買い取っていきました。
数日後、この男は顔色を変えて三右衛門のところへやってきました。
「このウソつきめ! お前はウマが金のクソをするといったが、あれから一回だって金のクソなんかしないぞ!」
すると三右衛門は、ケラケラ笑っていいました。
「お前ウマに何をくわせてるんだ? おれは金をくわせておったから金のクソをしたのだぞ。お前はワラやニンジンをくわせておるからだめなんだ」
「・・・・・・」
そういわれた男は、だまって帰るしかありませんでした。
おしまい
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