ゲラゲラわらう 日本のわらい話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集 > ジャンル別 > 日本のわらい話 >虫歯の治療
お話しの移動
・ 福娘童話集

・ ジャンル別

・ 日本のわらい話 (全50話)

→  1話 〜 10話
→ 11話 〜 20話
→ 21話 〜 30話
→ 31話 〜 40話
→ 41話 〜 50話
 


日本のわらい話 第2話

虫歯の治療

虫歯の治療
島根県の民話

 むかしむかし、あるところに、虫歯を抜く名人がいました。
 その頃は歯医者がなかったので、みんなは虫歯になると名人のところへ行って、クギを抜くクギ抜きで虫歯を抜いてもらったのです。
 虫歯をクギ抜きで抜くのはとても痛いのですが、でもこの名人に抜いてもらうと少しも痛くないので、大変な評判でした。

 さて、名人の家の近くに、もらう物は何でももらうのに、出す物は自分の舌(した)を出すのももったいないというぐらいのひどいけちん坊がいました。
 このけちん坊も虫歯になりましたが、治療のお金を出すのが嫌なので、虫歯をずっとがまんしていました。
 でもとうとうがまん出来ずに、けちん坊は名人のところへやって来たのです。

「虫歯を抜いてほしいが、一本いくらで抜いてくれる?」
「はい。一本抜くのは、二文(→60円ほど)です」
「何? ただ抜くだけで、二文も取るのか?」
「そうですよ。二本なら四文、三本なら六文」
「そりゃ、高すぎる。一本一文にまけろ」
 この名人はとても優しい人だったので、お金がなくて困っている人の虫歯はただで抜いてやります。
 でも、このけちん坊は、大変な大金持ちです。
「まける事は出来ません。嫌なら、帰って下さい」
「うむ、そう言われてもな・・・」
 けちん坊はしばらく考えていましたが、さすがに虫歯の痛みには勝てません。
「よし、それならこの虫歯と一緒に、二文でもう一本抜いてくれ」
 二本で二文なら、一本で一文という事になります。
(やれやれ、あきれたけちん坊だ)
 名人はバカらしくなり、すぐに虫歯を抜いてやりました。
「さあ、虫歯は抜きましたよ。二文を置いて、もう帰って下さい」
「待て待て、二文で二本の歯を抜く約束だ。もう一本抜いてくれ」
「でも、もう虫歯はありませんよ」
「いいから早くしろ、もう一本抜いてもらわないと損(そん)をする」
「・・・はいはい」
 名人はもう一本、虫歯ではない丈夫な歯を抜いてやりました。
「いててて!」
 丈夫な歯を抜いたので、とても痛かったですが、それでもけちん坊は口を押さえながらも、
(よしよし。これで一文もうけたぞ)
と、喜んで帰って行ったという事です。

おしまい

 前のページへ戻る

ジャンルの選択
・有名な話 日本 世界
・こわい話 日本 世界
・わらい話 日本 世界
・感動話 日本 世界
・とんち話 日本 世界
・悲しい話 日本 世界
・ふしぎ話 日本 世界
・恩返し話 日本 世界
・恋物語 日本 世界
福娘童話集
人気コーナー
きょうの新作昔話
未公開の童話・昔話を毎日
一話ずつ公開
おはなし きかせてね
福娘童話集をプロの声優・ナレーターが朗読
小学生童話
幼稚園から小学6年生まで、学年別の童話・昔話集
おくすり童話
読むお薬で、病気を吹き飛ばそう!

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診