心がジーンとする 世界の感動話 ☆福娘童話集☆ 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
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世界の感動話 第14話

花とお日さま

花とお日さま
アンデルセン童話 → アンデルセン童話の詳細

 それは、さむいさむい冬のことです。
 雪のまじった冷たい風がふいていましたが、部屋の中は気持ちよくあたたまっていました。
 ここは、地面の中の部屋です。
 そこには、花がねむっていました。
 ある日、雨がふりました。
 雨のしずくは土の中までしみこんでいき、花のねっこをゆすぶりました。
「おきなさい、おきなさいな」
「う、うーん・・・」
 花のねっこは、なかなか目をさまそうとしません。
 そのうちに春がきて、あたたかいお日さまの光がさすようになりました。
 お日さまの光は土のあいだをくぐって、花のねっこのところまで入っていきました。
 そして花のねっこを、少しずつ、少しずつ、あたためてやりました。
「ああ、体の中がムズムズする。手足をウーンと、思いっきりのばしたいなあ」
 花のねっこは目をさまして、そんなことをいいました。
 また、雨がふりました。
 雨は土の中にしみこむと、花のねっこをくるんでいる、うすい皮をぬらしてやわらかくしていいました。
「出てきなさい。はやく、出てきなさい」
 そこへまた、あたたかいお日さまの光がはいってきて、ポカポカとあたためました。
「ああ、もう、ジッとしてはいられないよう」
と、花のねっこはいいました。
 まもなくねっこは、白いひげのような根をだしてきました。
 それから、うすみどりの芽をのばしてきました。
 芽はお日さま光をいっぱいあびようと、お日さまの光がくるほうへとのびていきました。
 そしてとうとう、土の上にでてきました。
「ああ、なんて明るいんだろう」
 芽は、まぶしくてこまりました。
 するとお日さまは、
「やあ、やっと顔を見せてくれたね」
と、やさしく気持ちのいい光で、小さな芽をつつみました。
 今度は、そよそよと風がふいてきていいました。
「はじめまして、やっと、出てきたんだね」
 そして今度は、小鳥がやってきて、楽しそうに歌いました。
「♪ 芽が出たよ。 芽が出たよ。かわいい芽が出たよ」
 芽は、うれしくなりました。
「よーし、もっと大きくなって、みんなに喜んでもらおう」
 芽は頑張って、毎日毎日大きくなりました。
 もう、お日さまもまぶしくありません。
 グングン、グングンのびていきました。
「しっかり、しっかり」
「がんばれ、がんばれ」
「その調子だよ」
「♪ もうすぐ、もうすぐ、もうすぐだー」
 お日さまも、雨も、風も、小鳥も、みんなはげましてくれました。
 そしてついに、かわいいつぼみをつけて、きれいな花をさかせたのです。
「やったー」
「おめでとう」
「すごく、きれいだよ」
「♪ 花が出たよ。花が出たよ。かわいい花が出たよ」
 みんなにほめてもらって、花はとても幸せでした。

 ほら、あなたのお庭にさいている花が、その花ですよ。

おしまい

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