| 
      | 
     
        世界の有名な話 第31話 
         
          
         
三匹の子ブタ 
イギリスの昔話 → イギリスの国情報 
       むかしむかし、あるところに、三匹の子ブタがいました。 
   みんなの名まえは、一番のお兄さんが「大ブタちゃん」、二番目のお兄さんが「中ブタちゃん」、三番目の弟が「ちいブタちゃん」です。 
   さて、三匹の子ブタは、それぞれ自分のお家をつくることになりました。 
   大ブタちゃんは、ワラのお家をつくることにしました。 
   ワラをなわでしばって、ギュッ、ギュッ、ギュッ、はい、すぐにできあがりました。 
   中ブタちゃんは、木のお家をつくることにしました。 
   まず柱を立てて、まわりにならべた木にクギをうって、トントントンと、はい、できあがりました。 
   ちいブタちゃんは、 
  「ぼくのお家はワラでも木でもない、かたくてじょうぶなレンガでつくろう」 
   レンガを運んで、レンガをつんで、ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ、時間はかかりましたが、ようやくできあがりました。 
  「ワーイ、できた、できた」 
   自分たちのお家ができて、三匹の子ブタはとてもごきげんです。 
   すると、山にすんでいるわるいオオカミが、ワラのお家にやってきました。 
  「大ブタくん、大ブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家に入れとくれよ」 
   大ブタちゃんは、ビックリして答えました。 
  「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」 
   するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。 
  「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢(じまん)の息(いき)で、ふき飛ばしてやるぞ!」 
   オオカミがほっペをふくらませて、フーッと息をふいたら、ワラのお家はバラバラにふき飛んでしまいました。 
   そこでオオカミは、大ブタちゃんをつかまえて、ペロリと食べてしまいました。 
   さて、それからオオカミは、木のお家にやってきました。 
  「中ブタくん、中ブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家へ入れとくれよ」 
   中ブタちゃんはビックリして、戸を押さえていいました。 
  「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」 
   するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。 
  「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢のいきで、ふき飛ばしてやるぞ!」 
   オオカミがフーッと息をふきましたが、木の家はなかなかこわれません。 
  「よし、こうなったら体当たりだ!」 
   オオカミは勢いをつけると、木の家に体当たりをしました。 
   ドシーン! 
   木のお家は、バラバラにこわれてしまいました。 
   そこでオオカミは、中ブタちゃんをペロリと食べてしまいました。 
   さて、それからオオカミは、レンガのお家へやってきました。 
  「ちいブタくん、ちいブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家に入れとくれよ」 
   ちいブタちゃんもビックリして、 
  「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」 
   するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。 
  「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢のいきで、ふき飛ばしてやるぞ!」 
   オオカミが、フーッと息をふきましたが、レンガの家はビクともしません。 
  「よし、こうなったら、体当たりだ!」 
   オオカミは勢いをつけると、レンガの家に体当たりをしました。 
   ドシーン! 
   でも、レンガの家はビクともしません。 
   オオカミは、うなりました。 
  「おぼえてろ。こうなったら煙突(えんとつ)からおりてって、ちいブタのやつを食べてやるぞ!」 
   それを聞いたちいブタちゃんは、大急ぎで大きなナベにお湯をわかしました。 
   火をドンドン燃やしたので、お湯がグラグラとわきました。 
   煙突からおりてきたオオカミは、そのお湯の中にボチャーン! と落ちました。 
  「あつい、あついよー! 助けてくれー!」 
   泣きさけぶオオカミに、ちいブタちゃんがいいました。 
  「じゃあ、もう悪いことはしないか?」 
  「しない、しない」 
  「じゃあ、食べたお兄さんたちをかえすか?」 
  「かえす、かえす。だから助けてくれー!」 
  「よし、約束だぞ」 
   ちいブタちゃんがオオカミをナベから出してやると、オオカミは食べた大ブタちゃんと中ブタちゃんをはき出して、泣きながら山に逃げていきました。 
   助かった大ブタちゃんと中ブタちゃんは、ちいブタちゃんのレンガの家で、なかよくくらしました。 
      おしまい 
         
         
        
       
     | 
      | 
     |