むかしむかし、あるところに、こども の いない ふうふ が いました。 Once upon a time, in a place far away there were a husband and wife who had no child.
ふうふ は まいにち、かみさま に おねがいします。 The couple would pray to God every day.
「かみさま、どうか わたしたち に、こども を おさずけください」 ”Please Oh God, bless us with a child anyway possible”
そんな あるひ、ふたり の ねがい が かみさま に とどいて、おくさん に あかちゃん が やどったのです。 One day, the couple discovered that their prayers had been answered and that a baby was on its way.
「かみさま、ありがとうございました!」 ”Oh Dear God, thank you!”
おくさん の おなか の あかちゃん は すくすく と そだち、あと は うまれるのを まつ ばかり です。 The wife soon began to show signs of her pregnancy as the baby in her stomach began to grow.
They couldn’t wait for the baby to be born.
さて、この ふうふ の いえ の となり には、おおきくて きれいな にわ の いえ が あります。 Well, situated next door to the couples house,was a beautiful house with large gardens.
この いえ の もちぬし は、ゴテル と よばれる まじょ です。 The owner of the land was a witch by the name of Gothel.
むらびとたち は まじょ が おそろしくて、だれひとり この いえ に ちかよろうとは しませんでした。 Local villagers were so fearful of the witch that no one would dare venture near her house.
その まじょ が、おくさん の おなか に あかちゃん が やどった こと に きづいたのです。 Evidently the witch noticed the wife’s stomach, and that she was pregnant.
まじょ は にわ に でる と、にわ の はたけ で そだてている レタス に まほう を かけました。 When the witch went out into her garden, she decided she would use her magic to cast a spell on her lettuces.
「レタスたち よ、あの みごもった おんな を ゆうわく するのだ。あの おんな が おまえたち を、どうしても たべたくなる ようにね」 ”lettuces --tempt that woman who is pregnant. Make her truly desire to eat your delicious leaves”
すると まほう を かけられた レタス は、あわい ひかり を はなつように なりました。 Soon after casting her spell, a pale light poured out from the lettuces.
ある ひ、おなか の おおきく なった おくさん が、ふと、いえ の まど から まじょ の にわ を のぞきました。 One day the wife, who was now becoming very big, happened to glance into the witch`s garden from her window.
まじょ の いえ の にわ には うつくしい はなばたけ や やさいばたけ が あり、その やさいばたけ に うえられた レタス を みた おくさん は、たちまち レタス に こころ を うばわれました。 The wife could see a beautiful garden full of flowers and vegetables. As soon as she caught sight of the lettuces, somehow her heart was stolen.
「あの レタス、なんて おいしそう なんでしょう」 ”Those lettuces, how delicious they look.”
おくさん は その レタス が、とても たべたく なりました。 How the wife desired to eat those lettuces.
でも、その レタス は まじょ の もの なので、かって に たべたり したら どんな こと を されるか わかりません。 But since they were grown by a witch, she could not possibly imagine what would happen if she ate them without permission.
「だめよ。あれ は まじょ の レタス なのだから」 ”Its not worth it, since those are witch's lettuces.”
おくさん は じぶん に いいきかせる と、ぐっと がまん しました。 She told herself to have self restraint and swallowed her desires.
でも、レタス の まほう に かかってしまった おくさん には、もう レタス いがい の たべもの は かんがえられません でした。 But the wife who was bewitched by the spell could think about no other food apart from those lettuces.
おくさん は そのひ から しょくじ を やめて、どんどん やせて いきました。 From that day on, the wife stopped eating and slowly got thinner and thinner.
それに きづいた おっと が、おくさん に たずねます。 The husband noticed this and asked the wife why.
「おまえ、どうして なにも たべないんだ? ”Why, oh why do you not eat my love?
この いえ には、パン でも にく でも たくさん あるのに。 In this house we have ample food and meat, yet you do not eat.
なに も たべない では、おまえ にも おなか の あかんぼう にも よくないよ」 To eat nothing is bad for the baby and you.”
すると おくさん は、はずかしそう に こたえました。 Then his wife answered shamefully.
「ええ、じつ は レタス が どうしても たべたいの」 ”Well, in fact what I would really want to eat are lettuces.”
「なんだ、そんな こと か。それなら、すぐ に かってきて やるよ」 ”Why would you want such a thing? If it is so, then I will go and buy you some.”
おっと は すぐ に まち へ いく と、おくさん の ために レタス を やま の ように かって きました。 Straight away the husband rushed to town and bought his wife a mountain of lettuces.
しかし おくさん は、その レタス を たべようとは しません。 However, his wife did not even touch them.
「ちがうの。あたし が どうしても たべたい レタス は、あの レタス なの」 ”They are different. The lettuces which I would surely like to eat are those lettuces.”
おくさん は そう いって まじょ の やさいばたけ に ある、あわい ひかり を はなつ レタス を ゆびさしました。 His wife pointed at the lettuces emitting the pale light which had attracted her in the witch`s garden.
「なんだって! そんなこと を いったって、あの レタス は まじょ の もの だぞ」 ”What! What are you talking about? Those are witch’s lettuces.”
「ええ、わかっているわ。でも、どうしても あの レタス が たべたいの」 ”Yes, I understand, but I do so dearly want to eat them.”
「しかし・・・」 ”However, ...”
このまま おくさん が なに も たべなければ、おくさん も おなか に いる あかちゃん も しんで しまいます。 If the wife was to continue not to eat ,then surely she and her baby would die.
「・・・わかった。なんとか するよ」 ”... I understand. Somehow I will get them for you.”
おっと は けっしん すると そのひ の よる、まじょ の にわ に しのびこみました。 The husband had made up his mind. That night he snuck into the witch's yard.
まじょ の にわ に しのびこんだ おっと は、まじょ の やさいばたけ から あわい ひかり を はなつ レタス の はっぱ を いちまい ぬすみとる と、それ を おくさん に たべさせました。 He then proceeded to steal a leaf of lettuce from the garden and fed it to his wife.
すると レタス を たべた おくさん の あおじろいかお に、ぽっと あかみ が もどりました。 Soon after eating the lettuce, the wife`s pale face turned back to its original rosy color.
「ああっ、なんて おいしいのかしら」 ”Oh! How delicious it is.”
その ひ から おっと は まいばん まじょ の にわ に しのびこむ と、レタス の はっぱ を ぬすみとりました。 From that day on, the husband crept into the witch's yard nightly, and stole a leaf of the lettuce.
そんな ある ひ、おっと が レタス の はっぱ を ぬすみとって いるの を、まじょ に みつかって しまったのです。 But, one day, the witch caught the husband in the act of stealing one of the leaves from her lettuce.
まじょ は おそろしい め で、おっと を にらみつけました。 The witch glared at the husband with terrifying eyes.
「わたし の たいせつな レタス を ぬすんでいたのは、おまえ か! このまま、いきてかえれる と おもうな!」 ”So, it was you who was stealing my precious lettuces? ”Do you think I can let you live to return again!?”
すると おっと は、まじょ に て を あわせて あやまりました。 The husband put his hands together and prayed for his life.
「おゆるし ください! ”Please forgive me!
じつ は わたし の つま が、まじょさま の レタス しか くち に しないのです。 Dear witch, it is only my wife who eats your lettuces.
これ を たべない と、つま も おなか の あかんぼう も しんでしまいます」 If my wife does not eat them, then she and her baby will surely die.”
すると まじょ が きゅう に たいど を かえて、にっこり わらいました。 Thereupon the witch's attitude changed, and a smile came over her face.
「そうかい。それは、たいへん だったね。 ”Is that so, what a pity that is.
それなら いくらでも すきなだけ、おくさん に レタス を たべさせてあげる と いいよ」 If that is the case, then I will permit you to feed your wife as much lettuce as she desires.”
まじょ の ことば に、おっと は おおよろこび です。 The husband was overjoyed to hear the witch`s words.
しかし まじょ は、ニヤリ と わらう と こんな こと を いいました。 But, the witch’s smile soon turned into a grin.
「ただし、おまえ の おくさん が ぶじ に あかんぼう を うんだら、その こ を わたし に さしだすんだ。 ”However, if your wife safely gives birth, then you will give the child to me.
この わたし が ほんとう の ははおや の ように かわいがって、その こ を そだててやるよ」 I myself, will raise the child with affection, just like her real mother.”
「えっ?! そっ、そんな こと は。 ”What?! Hhhh, how could I permit such a thing?
こども は、わたしたち の ねんがん だったのです。 The child is our dream!
いくら なんでも、レタス の かわり に こども を やるわけには」 No matter how many lettuces I could recieve, I could never give away my child.”
「そうかい。 なら、レタス は あげないよ。 ”Is that so? Then I can’t give you any lettuces, can I.
おまえ の おくさん も おなか の あかんぼう も、そのまま うえじに すればいい」 Would you rather let your pregnant wife die from starvation?”
「そんな・・・」 ”Never...”
まじょ の レタス が て に はいらなければ、おくさん と おなか の あかちゃん は しんでしまいます。 It seemed as if the wife and her baby would surely die.
おっと は ふたり に しなれる よりも、せめて おくさん には いきてほしい と おもい、しかたなく まじょ と やくそく しました。 The husband thought that, rather than to let both his wife and baby die, he would agree to the witch’s proposal and made a promise go give the baby away.
「・・・わかりました。このままでは、つま と おなか の あかんぼう は しんでしまいます。 ”... I understand. If I leave the situation as it is, then they will both surely die.
うまれた こども は あなた に さしあげます から、どうか レタス を わけてください」 Ok, I will hand over my newborn child to you, but please, I beg you, give me some of your lettuces.”
「ああ、それ が いいよ。なあに、しんぱい する こと は ない。 ”Oh, that’s good. You don’t have to worry about a thing.
こども は わたし が、ちゃんと そだてて やるからね」 I will raise your child properly.”
やがて ふうふ に かわいい おんな の あかちゃん が うまれました が、すぐに まじょ が やってきて つれて かえりました。 Before long, a pretty baby girl was born to the couple, but no sooner had she been born, than the witch came and took her away.
まじょ は その あかちゃん に、やせい の レタス と いう いみ の『ラプンツェル』と なづけ ました。 The witch named the baby Rapunzel, which was also the name of a wild lettuce.
まじょ に そだてられた ラプンツェル は、この せかい に ふたり と いない ほど うつくしい むすめ に そだちました。 Rapunzel grew up to be of beauty comparable to no other in the world.
ラプンツェル が 12さい に なると、まじょ は ふと かんがえました。 When Rapunzel had reached the tender age of 12, the witch thought to herself.
「これだけ びじん だと、わたし の かわいい ラプンツェル に わるい おとこども が め を つける かも しれないね」 ”With such beauty , I’m sure one day my dearest Rapunzel will meet the evil glare of men’s passionate eyes.”
そこで まじょ は もり の おく に いりぐち の ない たかい とう を つくる と、その とう の うえ の へや に ラプンツェル を とじこめる こと に したのです。 So, hidden deep within the woods, the witch built a high tower with no entrance nor stairs, and confined Rapunzel to the only room situated on the top.
「これで よし。これで ラプンツェル は、わたし だけ の もの さ」 ”Fine, now only I can have Rapunzel.”
この とう には いりぐち が ないので、いくら まじょ でも なか に はいる こと が できません。 Since there was no entrance in this tower, even the witch couldn’t go inside.
そこで まじょ は ラプンツェル に あい に いく とき、とう の した から ラプンツェル に おおきな こえ で いうのです。 Whenever the witch wanted to see Rapunzel, she would shout from the bottom of the tower in a loud voice.
「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」 ”RAPUNZEL! RAPUNZEL! let down your golden hair! ”
すると ラプンツェル は おうごん を ほそながく ひきのばして つくった ような、ながくて うつしい きんぱつ を とう の した に のばします。 Then, Rapunzel would let down her beautiful long hair which looked like a golden mane.
まじょ は その ラプンツェル の ながい きんぱつ を のぼって、ラプンツェル に あい に いく です。 The witch would then climb up the long golden locks of Rapunzel’s hair, and meet her in her solitary room.
ラプンツェル が とう の うえ で くらす ように なってから、3ねんめ の あるひ。 One day, on the third year of Rapunzel being locked away in her tower,
この くに の おうじ が、うま に のって もり を とおりかかりました。 A royal prince of the country just so happened to be ridding by on his horse through the woods.
「まったく、ちちうえ にも こまった ものだ。 ”I'm really troubled with my father,
ぼく の かお を みる たび に、はやく けっこん しろ と いう の だからな。 Every time he sees my face he instructs me to get married as soon as possible.
そんな に あわて なくても、きっと うんめい の であい が あるさ」 Surely I am destined to meet someone, but there is no hurry at present.”
おしろ に いる と ちちおや で ある おうさま に けっこん の こと ばかり いわれる ので、おうじ は にげる ように もり へ さんぽ に きたのです。 Since the prince’s father, the king, was always talking about marriage, he decided to escape for a while by taking a stroll in the woods.
もり を すすむ に つれて、あたり が うすぐらく なってきました。 As he passed through the woods his surroundings got darker.
「そう いえば、この もり には まじょ が すんでいる そうだ。き を つけないと な」 ”It is said that a witch lives in these woods so, I must take care”
その とき、おうじ は もり の おく から、てんし の ような うつくしい うたごえ を きいたのです。 Just then, from deep within the woods, the prince heard a beautiful singing voice, like an angel.
「なんて うつくしい うたごえ だろう」 ”What a beautiful voice that is!”
おうじ は うたごえ を たより に もり の おく へ はいっていき、とう の うえ に とじこめられている ラプンツェル を みつけました。 The royal prince, turning to the sound of the singing, went deeper into the woods, whereupon he found a tower with no door where Rapunzel was imprisoned.
うつくしい うたごえ は、ラプンツェル が とう の うえ から うたっていた ものです。 There, Rapunzel was singing like an angel, from the tower.
おうじ は ラプンツェル の うつくしさ と うたごえ に、こころ を うばわれました。 Instantly the prince's heart was stolen by her beauty and her singing.
「あの おんな の ひと こそ、わたし の うんめい の ひと に ちがいない」 ”That maiden is surely a woman destined for me.”
ラプンツェル に ひとめぼれ を した おうじ は、ラプンツェル の いる とう の した に やってきました。 The royal prince instantly fell in love with Rapunzel, and came to the bottom of the tower.
しかし この とう には、どこ を さがして も いりぐち が ありません。 However, no matter how hard he tried ,he could not find an entrance to the tower.
「こんな とう を つくる のは、きっと まじょ に ちがいない」 ”This tower must surely have been built by a witch.”
すると そこへ、まじょ が たべもの を もって やってきました。 Just then, the witch came along with her usual delivery of food.
おうじ は まじょ に みつからない よう、すぐ に かくれました。 The royal prince quickly hid so that he might not be found by the witch.
まじょ は おうじ が かくれている とも しらず、いつも の ように とう の うえ の ラプンツェル に よびかけます。 The witch,who did not know about the prince in hiding, as always called up to Rapunzel high up in the tower.
「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」 "RAPUNZEL!! RAPUNZEL!! Let down your golden hair! "
それ を きいた ラプンツェル が あんだ かみのけ を した に たらす と、まじょ は それ を つたって とう の うえ に のぼって いきます。 When Rapunzel heard this she let down her woven locks of hair and the witch climbed up them to the top of the tower.
これ を みた おうじ は、まじょ が かえる と とう の した に いって いいました。 After seeing this, the prince waited for the witch to go home,? then went to the bottom of the tower and called out.
「ラプンツェル! ラプンツェル! おまえ の うつくしい かみ を、たらして おくれ!」 ”RAPUNZEL!! RAPUNZEL!! Let down your golden hair! ”
すると とう の うえ から ラプンツェル の かみのけ が おりて きたので、おうじ は その かみのけ を つたって とう の うえ へ のぼって いきました。 As usual, Rapunzel let down her hair again from the top of the tower, then the prince took hold of the locks and climbed up to the top of the tower.
「おばあさん、なにか おわすれもの ですか?」 ”Oh, grandmother, have you left something behind?”
そう いった ラプンツェル は、のぼってきた のが おうじ だった ので びっくり です。 To Rapunzel’s surprise, it was in fact the prince that had climbed up the tower.
「あっ、あなた は だれ!?」 ”Who, who are you!?”
ラプンツェル は いままで まじょ と くらしていたので、おとこ の ひと を みたこと が なかったのです。 Up until then ,Rapunzel had only lived with her grandmother, so she had never see a man before.
おうじ は ラプンツェル に、にっこり ほほえみました。 The royal prince smiled at Rapunzel.
「とつぜん あらわれて、すみません。じつ は あなた の うたごえ に こころ を ひかれて、ここ に やってきたのです」 ”Oh. I'm sorry to have startled you, but my heart was so charmed by your beautiful voice, that’s why I came.”
ラプンツェル は とても おどろきました が、しかし おうじ の やさしい えがお を みて あんしん しました。 Although Rapunzel was alarmed by his appearance, she felt relieved seeing his kind smile.
まじょ が ラプンツェル の ところ に やってくる のは いつも ひるま だったので、その ひ から おうじ は まいにち ゆうがた に なると ラプンツェル に あい に いきました。 Because the witch would always visit Rapunzel during midday, the prince from that day on started to meet her every night.
おうじ は ラプンツェル に、いろいろな こと を おしえてくれました。 The prince taught Rapunzel many things,
このくに は とても ひろく、おおぜい の ひと が すんでいる こと。 Of how the country was very large and how many people lived there.
くに の そと には さらに おおきな せかい が ひろがっていて、そこには うみ や やま が ある こと。 And that the world was still even bigger, spreading out to seas and mountains far off,
おうじ は おしろ に すんでいて、このくにの ため に はたらいている こと。 And of how, he, the royal prince lived in a castle and worked to serve his country.
まじょ の おばあさん と、この とう が すべて だった ラプンツェル には、とても すてきな おはなし ばかり です。 To Rapunzel, who thought that the witch and the tower was all there was, the prince's stories were wonderfully charming.
おうじ の はなし を きくうち に、ラプンツェル は そと の せかい へ いってみたい と おもうように なりました。 While listening to his stories, Rapunzel thought how much she would like to see the world with her own eyes.
そんな ある ひ、おうじ が ラプンツェル に いいました。 One day, the prince said to Rapunzel.
「ラプンツェル、ぼく は あなた が すきです。どうか この とう を でて、ぼく と いっしょ に しろ で くらして くれませんか?」 ”Rapunzel, you are fond of me. Somehow, would you leave this tower and come and live with me in the castle?”
「ええ。わたし も、あなた と いっしょ に そと の せかい へ いきたいの。でも、どうやって とう を でれば いいの?」 ”Yes, I would like to go to the outside world together with you, but how do I leave this tower?”
ほか の ひと は ラプンツェル の かみのけ を つたって のぼりおり できますが、ラプンツェル じしん は とう を のぼりおり すること が できません。 Even though other people could use Rapunzel's hair to climb up and down from the tower, she herself could not.
すこし かんがえた おうじ は、ラプンツェル に いいました。 The prince thought for a while then replied.
「それでは、これから まいにち、きぬいと を すこしずつ もってきます。 ”Then, from this day on , each day I will bring you a little piece of silk thread.
その きぬいと で はしご を あんで、ここから でて いきましょう」 With this thread you can make a ladder, and we can escape together.”
つぎ の ひ から おうじ は ラプンツェル の ところ に きぬいと を すこし ずつ もっていき、ラプンツェル は その きぬいと を あんで はしご を つくりました。 The very next day, the prince came to the tower with the silk thread, and Rapunzel started on weaving the ladder.
さて、この とう の へや には、きぬいと の はしご を かくす ところ が ありません。 Now, in the tower there was no place where the silk thread could be hidden.
そこで ラプンツェル は まじょ に きづかれない ように、つくった きぬいと の はしご を じぶん の ながい かみのけ の なか に かくしました。 So Rapunzel decided to hide the silk ladder under her hair, where the witch couldn’t see it.
そして 1ヵげつ も すると、とう の した まで とどく きぬいと の はしご が かんせい したのです。 After a month a silk ladder, which could reach to the bottom of the tower, was completed.
いよいよ あした は、ラプンツェル が とう の うえ から にげだす ひ です。 Finally the day came when Rapunzel would escape from atop the tower.
その ひ の おひる、いつも の よう に やってきた まじょ は、ラプンツェル の ながくて うつしい きんぱつ を なでながら いいました。 That day, as usual, after lunch the witch stroked Rapunzel's beautiful long golden hair said.
「おまえ の かみ は、いつ みても うつくしいね。 ”Whenever I look at your hair, it is always so beautiful.
これから も わたし の ため に、その かみ を のばし つづけるんだよ。・・・おや?」 You will always keep your hair long for me, won't you? ... OH?”
まじょ は ラプンツェル の かみ を なでながら、きんぱつ の なか に しろい もの が まじっているのに きづきました。 The witch had noticed something white mixed into her blond hair, while stroking it.
「これは なんだい? おまえ の うつくしい きんぱつ の なか に、しろい け が まじっているよ」 ”What is this!? White hair is mixed up in your beautiful blond hair!”
そして まじょ は ラプンツェル が かみのけ の なか に かくしてあった、きぬいと の はしご を みつけたのです。 The witch then discovered the white silk ladder that Rapunzel had been hiding under her hair.
まじょ は おそろしい め で、ラプンツェル を にらみつけました。 With her terrifying eyes the witch glared at Rapunzel.
「なんだい! この かみのけ に、かくしている はしごは! ”What! A ladder hidden in your hair!
もしかして おまえ、この わたし から にげる つもり なのかい!」 Did you somehow plan to escape from me?”
「ごめんなさい。でも、わたし、そと の せかい を しりたい の です」 ”I'm sorry, but I so want to know what the outside world is like.”
「そと の せかい だって!? そうかい、おまえ に わるい おとこ が ついたんだね! ”The outside world!? Oh really. It seems you have fallen for an evil man.!
せっかく おまえ を せけん から ひきはなして おいたのに、なんてことだい! What’s this. With all the trouble I have taken to separate you from the outside world!
いままで そだてて やった おん を わすれて でて いこう なんて、おまえ は なんて ばちあたり なんだ! You forget of the debt you owe to me for raising you, and you try and escape from me? Oh, how you will suffer for what you have done.
おまえ なんか、もう わたし の むすめ じゃ ないよ! You! You are no longer a daughter of mine!
のぞみ どおり、そと の せかい に ほうりだして やるわ!!」 Just as you wish then, I will cast you out to the outside world!!”
まじょ は そう いう と おおきな ハサミ で ラプンツェル の ながく うつくしい かみのけ を、ジョキリ ジョキリ と みじかく きりおとし ました。 After saying this, she took out some large scissors and cut Rapunzel’s hair off as short as possible.
そして ラプンツェル を とう から ひきづり だす と、きのみ きのまま で せかい の はて の あれの に ラプンツェル を おきざり に したのです。 Then ,Rapunzel was dragged from the tower with nothing but the clothes on her back, to a wilderness somewhere at The end of the land.
さて、そうとは しらない おうじ は、ゆうがた に なると とう の うえ に よびかけました。 Well, the unsuspecting prince that evening called up to the tower.
「ラプンツェル、ぼく だよ。きぬいと の はしご で、おりて きて おくれ」 ”Rapunzel, please climb down from your silk ladder.”
しかし、ラプンツェル から の へんじ は ありません。 However, there was no reply from Rapunzel.
そのかわり とう の うえ から、ラプンツェル の ながい かみのけ が おりて きました。 Instead of the silk ladder, Rapunzel's long hair was let down from the tower.
「おや? ぼくに、のぼって きて ほしい の かな?」 ”Oh? Does she want me to climb up?”
おうじ は ラプンツェル の かみのけ を つたって、とう の うえ へ のぼって いきました。 The prince held onto the hair and began to climb up.
すると そこに いた のは ラプンツェル ではなく、あの まじょ だった のです。 The prince came to discover that it wasn’t Rapunzel, but the witch that he was face to face with.
まじょ は おうじ を にらみつける と、いじわるく わらい ました。 The witch glared at the prince, then laughed maliciously.
「おやおや。だれかと おもえば、おうじさま だったのかい。 “Well oh well! When I thought of who it may be, I never thought it would be a prince?
ざんねん だけど おまえ の いとしい むすめ は、せかい の はて の あれの に すててきたよ」 It is regrettable, but your beloved dear has been thrown out into the wilderness somewhere at The end of the lands.”
「なんだって! よくも ラプンツェル に、ひどい こと を!」 ”What! How could you do such a cruel thing to Rapunzel! ”
「ひどい? ひどい のは、どっち だい?! ”Cruel? Who is cruel?!
おまえ の ほう こそ、わたし の かわいいい ラプンツェル を うばって おいて。 You stole my precious daughter Rapunzel from me.
おうじさま だから ころし は しない けど、ばつ と して おまえ の めだま を もらうよ」 Since you are a prince, I will not kill you but punish you by taking your eyes from you.”
まじょ は そういって、おうじ を とう の うえ から した の イバラ の なか に つきおとしました。 After saying so, the witch threw the prince out of the window where he landed in a bush of thorns.
「うわぁぁぁー!」 ”Ahhhh!”
イバラ の なか に つきおとされた おうじ は イバラ の トゲ が め に はいって、そのまま め が みえなく なって しまいました。 The prickles of the thorns where he had been thrown pierced his eyes, and he could no longer see.
「あははははは! いい きみ だね。 ”Ah ha ha! Serves you right.
これで もし、おまえ が ラプンツェル と さいかい できた と しても、おまえ は いっしょう ラプンツェル を みる こと が できないよ」 Even if you are to find Rapunzel again, you will never be able to see her without eyes.”
まじょ は たかわらい を しながら、どこか へ いって しまいました。 The witch then rushed off, laughing hysterically.
おうじ は め が みえなく なってしまいました が、まだ ラプンツェル を あきらめません でした。 The prince could not see anymore, but he did not give up hope of seeing Rapunzel again.
「ラプンツェル、まって いろよ。ぼく が かならず、たすけて やるから」 ”Rapunzel, wait for me. I will not fail in saving you.”
おうじ は たちあがる と、あれの に すてられた ラプンツェル を さがす たび に でました。 Then the prince stood up and headed off on a journey to the far wilderness at The end of the world to find his deserted Rapunzel.
おうじ の ラプンツェル を さがす たび は、とても つらい たび でした。 The journey the prince took was hard.
め が みえない おうじ は き の ね や くさ の み を たべ、あまつゆ を すすり、ぜんしん が きず だらけ の ボロボロ でしたが、 The blind prince had to rely on roots of trees and grass for food, and drank drops of rain, while his body became covered with wounds.
いちにち も やすむ こと なく、なんねん も なんねん も ラプンツェル を さがし つづけ ました。 He continued looking for Rapunzel without rest for many years.
「ラプンツェル は、ぼく の つま だ。かならず たすけてやる」 ”Rapunzel, my wife, I will save you.”
そんな ある ひ、め の みえない おうじ の みみ に、なつかしい うたごえ が きこえて きました。 Then, one day the prince who could not see, heard a familiar singing voice.
その うつくしい うたごえ は、おうじ が さがし つづけた ラプンツェル の うたごえ です。 The beautiful voice was that of Rapunzel.
おうじ は うたごえ に むかって、こえ を はりあげました。 The prince faced where the voice was coming from and shouted at the top of his lungs.
「ラプンツェル! そこ で うたって いるのは、ラプンツェル かい!?」 ”RAPUNZEL! Can that be you singing, Rapunzel!? ”
すると その こえ に、うたっていた ラプンツェル が ふりかえり ました。 Then, Rapunzel, who was singing turned around.
「ああっ、おうじさまー!」 ”Oh, my prince!”
ラプンツェル は、おうじ の むね に とびこみ ました。 Rapunzel then jumped into the bosom of the prince.
おうじ は、いとし の ラプンツェル を しっかり と だきしめます。 He hugged her as tightly as he could.
「ラプンツェル、ぶじ だったんだね」 ”You have been safe after all this time?”
「ええ、いつか おうじさま が むかえ に きてくれる こと を しんじて、ずっと ここ で まって いました」 ”Yes. I had faith that you would one day come and find me here, so I waited.”
「そうか。おそく なって すまなかった」 ”Oh? I'm so so sorry to be late.”
ラプンツェル の め にも おうじ の みえない め にも、なみだ が つぎつぎ と あふれでました。 Tears of joy began to flow from the eyes of Rapunzel, and from the eyes of the blind prince.
「ラプンツェル、ぼくには もう きみ の うつくしい すがた を みる こと が できない が、 “Even though I can no longer see your beauty…
こうして きみ と いっしょ に いられる だけ で じゅうぶん に しあわせだ。さあ、いっしょ に かえろう」 just to be with you is more than enough. Now, let's return together.”
「はい」 ”Yes.”
そのとき、ラプンツェル の め から あふれでた なみだ が、おうじ の みえない め に ふりそそぎました。 The tears which overflowed from the eyes of Rapunzel fell down and flowed into the eyes of the sightless prince.
すると そのとたん おうじ の め に ひかり が よみがえって、おうじ の め が みえる ように なったのです。 At that moment, a flash of light came back into the prince's eyes and he was able to see again.
「みえる、みえるよ! きみ の うつくしい すがた が、はっきり と みえるよ!」 ”I can see, I can see! I can now see your beauty again, clearly! ”
そのご、め が みえる ように なった おうじ は ラプンツェル を おしろ に つれてかえり、 After that, the prince took Rapunzel back to his castle.
くにじゅう の ひとびと が おいわい する なか、ふたり は けっこん したのです。 While the people of the country celebrated the wonderful news, the couple got married.
そして ラプンツェル の ほんとう の りょうしん も おしろ で くらす こと に なり、 Rapunzel's true parents were also able to live at the castle together.
やがて おう に なった おうじ と ラプンツェル は、りょうしん たち と いっしょ に いつまでも しあわせ に くらしたのでした。 The prince, who was by now made king, lived happily together with Rapunzel and her parents.