のはら も き も はたけ も ぼくじょう も、いちめん に きれいな はな が さいた はる の あるひ、 One spring day, when all the fields, trees and pastures were a carpet of flowers in bloom
いっぽん の リンゴ の き が じまんげ に いいました。 An apple tree said boastingly to itself.
「えっへん。みてみて。ぼくは、こんな に きれい に なったんだよ」 "Yes, look, look. See how beautiful I have become."
この リンゴ の き には えだ が いっぽん しか ありません が、かわいらしい バラいろ の つぼみ を たくさん つけて いました。 Even though the tree had only one single branch, it was covered with pretty rose colored buds.
「まあ、きれい! なんて みごと な リンゴ の えだ なの でしょう」 "Why, how beautiful! What a beautiful apple branch that is."
ちょうど そこ へ、おくさま が ばしゃ で とおり かかり ました。 Said a lady that was passing by in her horse drawn carriage.
「わたくし、こんなに すばらしい はな を みた こと が ありませんわ」 "I have never seen such wonderful flowers in all my life. "
おくさま は リンゴ の えだ を やさしく おる と、たいせつ に おやしき に もってかえりました。 The lady gently broke off the branch and brought it back to her mansion.
はじめて やしき に はいった リンゴ の えだ は、おおきな やしき に びっくり です。 The apple branch was in awe when it first entered the lady’s mansion.
「うわ、なんて りっぱな おやしき なんだろう」 "What a fantastic house this is"
おくさま は ひろい やしき の なか の いちばん すてきな おへや に はいって いく と、リンゴ の えだ に いいました。 When the lady entered into the grandest room of the house she spoke to the apple branch.
「さあ、きょう から ここ が、あなた の おうちよ」 "From today on, this will be your home."
おくさま は しんせつ を かためて つくった ような しろい かびん に、リンゴ の えだ を さして くれました。 The lady then put the branch into a beautiful white vase which looked like it had been made of white snow.
リンゴ の えだ は、うれしくて たまりません。 The apple branch was delighted and couldn’t contain his joy.
「えへへ。ここ が ぼく の いえ で、この かびん が ぼく の へや だ」 "Ha, ha . This is my new house and this vase is my room."
リンゴ の えだ は、まっしろな カーテン の かかっている まど の そと を みました。 The apple branch then looked out from the window with white curtains.
「やあ、そと には いろんな はな が さいているな」 "Oh! So many flowers are in bloom.”
スミレ、ひなげし、チューリップ、そして おにわ の むこう の のはら には たくさん の タンポポ が さいています。 Violets, field poppies, tulips and on the other side of the garden towards the pastures there were hundreds of dandelions in bloom.
「でも、ぼく より きれいな はな は いないや。やっぱり ぼく が、いちばんだ」 "But none are as fine as me. I am the most beautiful."
リンゴ の えだ は そう おもう と、ますます うれしく なりました。 When the apple branch thought this over he became even more delighted with himself.
そして、じぶん が えらく なった よう に おもえました。 He felt that he had become a great and distinguished fellow indeed.
「ぼく みたい に だいじ に かざられる はな も あれば、 "I am a important flower decorating with grace.
タンポポくん の よう に、だれ にも みむき されない はな も あるんだね。 But how about the dandelion who never receives a single glance?
かわいそうに」 How sad it is."
それ を きいた そら の おひさま が、リンゴ の えだ に いいました。 The Sun in the sky who had heard the apple branches words, then spoke out.
「リンゴくん、そんな こと は ないよ。タンポポ も すてき だよ」 "Mr. apple branch, that is not exactly true . The dandelion is also wonderful you know."
「まあ、きたない とは いわない けど、この ぼく に くらべれば」 "Well, the dandelion is not dirty, but compared to me, what is he!"
「なら、よく みてて ごらん」 "Well, take a look.”
まもなく ちいさな こどもたち が のはら に やってきて、 Before long, a group of young children came into the pastures.
「あっ、タンポポ だ」 "Wow, dandelions."
と、たのしそう に タンポポ で くびわ や うでわ を つくりました。 And with the dandelions, happily they made collars and bracelets out of them.
それから、まっしろ に わたげ を つけた タンポポ を みつける と、 When they found dandelions with their floss on them.
「あっ、いいもの を みつけた。いい? よく みててね。いくよー! フーーッ」 "Wow, I found a lovely one. Ready? Look now, here I go… fooooo….."
と、おおきく いき を ふいて あそびました。 Blew the breath of the child.
それ を みた リンゴ の えだ は、こどもたち と なかよく あそぶ タンポポ が すこし うらやましく なりました が、 Although, the apple branch who felt a little jealous of the dandelions and children playing together,
でも おひさま に いいました。 replied to the sun in this way.
「まあ、あの こどもたち には、タンポポ が いいでしょうよ。 "Well, the dandelion is suited to playing with children you know.