福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
カエルになったぼたもち
日本昔話
むかしむかし、ある村に、仲のよくない嫁さんとおばあさんがいました。
二人は顔をあわせると、けんかばかりしています。
ある日、いそがしかった田植えがようやく終わりました。
「なあ、たまには、うめえもんが食いてえのう」
おばあさんがいうと、珍しく嫁さんも賛成しました。
「そうだな。今日は、ぼたもちでもつくるべか」
こうして二人は、仲よくぼたもちを作り、二人は夢中になって、ぼたもちを食べました
嫁さんは食べるだけ食べると、隣の部屋に行ってしまいました。
おばあさんは一つだけ残ったぼたもちをなべに隠しながら言いました。
「ええか、ぼたもちよ。嫁の顔を見たら、カエルになるんだぞ」
このようすを、嫁さんはしょうじのすきまから見ていたのです。
次の日、嫁さんは朝起きると、なべの中のぼたもちを食べてしまいました。
「ああ、うまかった」。
嫁さんは、ぼたもちの代わりになべの中にカエルを入れて知らんぷりです。
そうとは知らないおばあさんは、なべのふたを開けました。
するとカエルが、ピョーンと飛び出しおばあさんはあわてて言いました。
「これ、待て、ぼたもち。わしじゃ、嫁じゃないぞ。待て、待て」
しかしカエルは田んぼに逃げ込んで、どこかへ消えてしまいました。
おしまい
→ 福娘童話集版 カエルになったぼたもち
※ この昔話について。
このむかし話は東日本大地震に被災された方々への心の復興をお手伝いするために、三重県鳥羽市の鳥羽水族館様のご厚意により、鳥羽水族館でのイベント
「鳥羽水族館で昔話」2011年3月19日(土)〜4月24日(日)
で、公開しているお話しをご提供いただいたものです。
ダウンロードされたお話しは、プリンターで印刷も可能です。
お話しは、全て鳥羽水族館にいる生き物に関する昔話です。
このお話しを読んで、鳥羽水族館へ遊びに行った気分をご体験ください。
→ 鳥羽水族館公式ページ
→ 「鳥羽水族館で昔話」のイベントページ
鳥羽水族館について。
通路全長1.5kmの広い館内は生息する環境に合わせ12のゾーンに分かれ、観覧順序がなく自由通路となっているのが大きな特徴のひとつ。
好きなところから気の向くまま観覧したり、興味のある生きものをじっくり観察したりと、思いのままに楽しんでいただけます。
飼育種類数は約1,000種2万5千点と国内最大級の規模を誇り、多くの美しい魚たちやアフリカマナティーやラッコ、スナメリといった人気の動物たちが皆様をお迎え致します。
中でも人魚伝説のモデルとも言われるジュゴンを飼育しているのは日本でここだけ。
メスのセレナがアオウミガメのカメ吉と仲良く泳ぐ様子がご覧いただけます。
また毎日開催している各種のショーでは、アシカやセイウチたちとトレーナーが息の合ったパフォーマンスを披露し、動物たちもお楽しみ?!の「お食事タイム」ではラッコのジャンプや、岩からの大きなトドのダイビングなど普段と違った行動も観察できるので必見です。
さらに2010年には館内の水槽を計14本リニューアル。
水槽の面積を広げて足元から水槽を見られるなど様々な工夫を凝らし、他では見られない鳥羽水族館独自の新しい展示を目指しています。
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