救いの手東日本巨大地震復興企画 「がんばれ まけるな」 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


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虹の鳥



虹の鳥
オーストラリアの昔話 → オーストラリアの国情報

 むかしむかしの大むかし、すベての鳥は黒か灰色のきたない色でした。

 ある日の事、鳥たちがふと空を見上げると、七色のきれいな虹(にじ)に、ぽつんと黒いシミが出来ていました。
「なんだろう?」
 鳥たちが見ていると、その黒いシミがどんどん増えていきます。
 すると天から七色にかがやく鳥がまいおりてきて、鳥たちに言いました。
「虹に悪い虫がくっついて、きれいな虹の色を食いつくそうとしています。どうか一緒に、悪い虫をやっつけてください」
 そこで勇気のある鳥たちは、七色の鳥と一緒に悪い虫をやっつけると言いました。
 でも勇気のない鳥たちは、七色の鳥がいくらお願いしても知らん顔です。
「では、わたしたちだけで行きましょう」
 勇気のある鳥たちは、七色の鳥と一緒に飛び立ちました。

 勇気のある鳥たちが虹にやって来ると、虹は悪い虫に色を食べられてボロボロでした。
「これはひどい! はやくしないと、虹が真っ黒になってしまう」
 鳥たちは、虹にくっついた虫におそいかかりました。
 しかし虫たちも、そう簡単にはやられません。
 鳥たちの体をお尻のハリでさしたり、かみついたりしました。
 ここまで飛んできて疲れていた鳥たちには、とてもつらいたたかいでした。
 でも鳥たちはがんばって、何とか虫たちをやっつけました。
「やったー! 悪い虫をやっつけたぞ!」
「虹を、まもったぞ!」
 鳥たちはホッとして、おたがいの顔を見ました。
 するといつの間にか、どの鳥もきれいな色の羽になっていたのです。
 虫たちとむちゅうでたたかっている間に、虹の色が体についていたのです。
「わあ、きれいな色」
「見て見て、わたしピンク色よ」
「ぼくなんか、青色だよ」
 みんなが喜んでいると、七色の鳥が言いました。
「その虹の色は、決して落ちません。虹を守ったみなさんの勇気を伝えるために、その美しい色は子どもや孫たちにも受けつがれるでしょう」

 さて、地上に残った鳥たちは、虹に行った鳥たちが虫にやられてボロボロになって帰って来ると思っていました。
 ところが虹に行ったみんなは、光りかがやくような美しい姿になって帰ってきたのです。
「わあ、きれいな色。いいなー」
「それにひきかえ、ぼくたちは・・・」
 地上に残った鳥たちは自分のみすぼらしい姿がとてもはずかしくなり、コソコソかくれてしまいました。

 きれいな色の鳥とそうでない鳥がいるのは、こういうわけなのです。

おしまい

※ メッセージ。

 被災された皆さまへ。

 大震災の被害を受けられた皆さまに、つつしんでお見舞い申し上げます。

 また、いっこくも早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。

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