10月29日のイソップ童話
鳥刺しとマムシ
鳥刺しがモチとモチざおを持って、鳥をつかまえにいきました。
まもなく、高い木の上にツグミが1羽とまっているのを見つけました。
「よし、あれをつかまえよう」
鳥刺しは、モチざおを長くつなぎ合わせて、ねらいをつけました。
木の上のツグミに、全身の注意をあつめています。
こうして、ずっと上ばかり見ていたので、鳥刺しは足もとにマムシがねむっているのに気づかず、マムシをふみつけてしまいました。
ふまれたマムシは、かま首をもちあげて、鳥刺しの足にガブリとかみつきました。
鳥刺しは、マムシの毒がまわって死にましたが、死ぬまぎわにこう言いました。
「ああ、なさけない話だ。えものをとろうとむちゅうになっていて、自分が死に神のえじきになりかけていたこと気づかないなんて」
このように、人を不幸にしようとたくらむ人間は、あいてより先に自分が不幸になるものです。
おしまい
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