11月25日のイソップ童話
ワシとキツネ
ワシとキツネが友だちになって、近所に住むことに決めました。
いつもいっしょにいれば、もっとなかよしになると考えたからです。
ワシは一本の高い木の上に舞い上がって、そこで子どもをかえしました。
キツネはその木のねもとのやぶにもぐり込んで、子ギツネをうみました。
ところがある日、キツネがエサをさがしに出かけた後で、食べ物がなくてこまったワシは、やぶをおそい、子ギツネをさらってきて、自分とヒナたちのごちそうができたとばかり、ぜんぶ食べてしまいました。
かえってきて、るすのあいだのできごとを知ったキツネは、子どもをなくして悲しくてたまりません。
でも、それよりも悲しいのは、しかえしすることができないことでした。
なぜなら、キツネは空を飛ぶ鳥を追いかけることができないからです。
力のないものや、弱いものにできることは、せめて、遠くからかたきをのろうことだけです。
キツネはそれで、がまんするしかありませんでした。
しかし、どうでしょう。
人間たちが神さまにおそなえもののヤギを焼くためにおこした火が、強い風に吹かれてワシの巣に燃え移り、ワシの巣のヒナは炎にビックリして、みんな地面に落ちてしまいました。
それを見たキツネは、ワシにふくしゅうすることができたのです。
友だちをうらぎるような人は、いつの日か、かならず罰をうける日が来ます。
おしまい
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