3月5日の日本の昔話
馬に乗る
むかしむかし、きっちょむさん(→詳細)と言う、とてもゆかいな人がいました。
きょうは朝から、よい天気です。
きっちょむさんはウマを引いて、山をテクテク登っていきました。
たきぎを取りにきたのです。
「ほう、よいたきぎがある」
きっちょむさんは、オノでポンポンと枯れ木の枝を切っていきます。
しばらくして、たきぎがいっぱいたまりました。
「きょうは、思ったよりもたくさんとれたぞ」
きっちょむさんは喜んで、ホクホクしながらそれらをなわでむすんで、いくつものたきぎの束(たば)をつくりました。
「さあ、これを背負っておくれ」
と、そのたきぎの束をみんな、ウマの背中へつみあげました。
やせたウマは、たくさんのたきぎを背負って重いので、まるで地面をはいずるようなかっこうになりました。
でも、のんきなきっちょむさんは、そんなことを気にもしないで、
「では、帰るとしようかな」
と、ウマの腰を、ポンポンとたたきました。
ウマはヨタヨタしながら、山の坂をおりていきます。
その坂の途中まできたとき、きっちょむさんは、やっと、ウマの歩き方がノロノロしていることに気がつきました。
「おや、なんだかヨタヨタしているなあ。おおっ、そうか、そうか。これは気がつかなくて悪かった。こんなにたくさん荷物を背負っては、さぞ重かったろうなあ」
と、ウマの首をなでながら、
「だが、もう安心しろよ。わたしも手伝ってやる。そのたきぎを少し背負ってやるからな」
そういって、きっちょむさんはウマの背中から、たきぎを二わほどおろしてやりました。
そしてそれを、
「うんとこしょ!」
と、自分の背中に背負いました。
それからウマといっしょに歩いていくのかと思いきや、そうではありません。
たきぎを背負ったきっちょむさんは、そのまま自分もウマの背中の上に乗りました。
「たきぎを二わも背負うと、なかなか重いものだわい」
と、きっちょむさんは汗をかきながら、ウマの背中に乗っています。
「だが、わたしがこれだけでも手伝ってやれば、ウマも助かるだろう」
と、きっちょむさんは、安心したような顔をしています。
ウマは、そんなきっちょむさんとたきぎを乗せて、前よりも、もっとヨタヨタしながら歩いていきました。
おしまい
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