きょうの江戸小話
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8月18日の小話

化け物べい

化け物べい

 むかし、ある男が、さみしい道を歩いていくと、目の前に、ひょいっと、高いへいがあらわれました。
「あれまあ、こんなへいが、いつできたんだろ」
 その男はしかたなく、へいにそって、横に歩いてゆきました」
 ようやく、へいがとぎれたので、やれやれとおもったら、またまた、へいがありました。
 へいにそって、横に歩いて、ようやくまがると、またもやへいが続いています。
「これは、ほんもののへいではあるまい。うわさにきく、化け物べいだな。こうやって、人をつかれさせて楽しむ、はためいわくな化け物だ。ようし、つきやぶってやろう」
 男は、はなれたところから、いきおいをつけて、タタタタタッと、はしっていくと、頭から、ドシン!と、体当たりしました。
 ところが、今度は、ほんものの石べいだったからたまりません。
 目をまわして、ひっくりかえってしまいました。

おしまい

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