7月15日の日本民話
かわり者「阿波のデコ忠」
徳島県の民話
むかしむかし、阿波の国(あわのくに→徳島県)に、阿波のデコ忠(あわのでこちゅう)といわれた、かわり者で有名な人形師がいました。
デコというのは、木彫りの人形のことです。
このデコ忠がつくる人形は顔の表情がよいので、ふつうに売られる人形の何百倍も高いのに、いくらでも売れたのです。
ですからデコ忠は、たちまち大金持ちになってしまいました。
さて、お金にはあまり関心(かんしん)もないデコ忠は、ある時、足が不自由なお遍路(へんろ)さんを見かけました。
からだをひきずり、地をはうようにしながら四国のお寺めぐりをしているお遍路さんに、デコ忠はお米を一俵ほどこしました。
お遍路さんはありがたく受けとりましたが、重すぎて持ち歩くことができません。
そこでこのお遍路さんは三か月も同じ宿にいて、毎日満腹になるまでお米のごはんを食べたという事です。
おしまい
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