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2010年 2月15日の新作昔話

カエルの泳ぎ自慢

カエルの泳ぎ自慢
山形県の民話

 むかしむかし、あるところに、とても仲の良いカエルとネズミがいました。
 ある日の事、カエルがネズミに言いました。
「おれは泳ぎが得意だから、水の中だったら、どこまででも泳げるぞ」
 するとそれを聞いたネズミは、自分も水の中を泳いでみたいと思ってカエルに頼みました。
「カエルさん。わたしも水の中を泳いでみたいけど、何とかならないですか?」
「それじゃあ、一緒に泳いでやるから、おれの足にお前の尻尾をしっかりと巻いて、落ちないように背中に乗っていなよ」
「うん」
  そこでネズミはカエルに言われた通り、尻尾をカエルの足にしっかりと巻いて、カエルの背中に乗って水の中を泳いだのです。
「わあ、水の中は気持ちがいいな。青くて、ひんやりしていて」
 ネズミは、大満足です。
 でも、もうかなり泳いだので、カエルに言いました。
「ありがとう。もう、充分だよ」
 しかしカエルは、まだまだ泳ぎを自慢したくて、
「いやいや、今度は水面ぎりぎりを泳いでやるよ」
と、水面をスイスイと泳いだのです。

 すると、それに気づいたタカが、空の上から急降下してきました。
 タカに気づいたカエルは、あわてて水の中に逃げようとしますが、ネズミが背中に乗っているので、素早く逃げることが出来ません。
 そしてネズミとカエルはタカに捕まって、食べられてしまったのでした。

おしまい

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