福娘童話集 小学生童話 5年生
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5年生の日本昔話

みそのにおい

みそのにおい

 むかし、あるところに、おばあさんがいました。
 おばあさんは、ためたお金をどろぼうに取られてはたいヘんと、みそがめのそこにかくしておきました。
 ところがある日、おばあさんがちょっと家をあけたすきに、みそがめのそこのお金を、全部ぬすまれてしまったのです。
「どうか、どろぼうをつかまえてください」
 おばあさんは、町奉行(まちぶぎょう)大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)にうったえました。
「よしよし、まかせておきなさい」
 越前守(えちぜんのかみ)は、おばあさんの家の近くに住んでいる人たちを集めて、
「この中に、どろぼうがおる。犯人(はんにん)はみそがめのお金を取るとき、みそをかきまわしたはずじゃ。みそに手をつっこむと、半年は、においがなくならん。かくしても、しらべればすぐにわかるぞ」
と、いいました。
 すると、うしろのほうにすわっていた男が、そっと手を出して、においをかいでいます。
 越前守(えちぜんのかみ)の話しを聞いて、みそのにおいがついているかどうか、心配になったのでしょう。
「その男を、ひっとらえよ」
 越前守(えちぜんのかみ)は、こうして犯人(はんにん)をつかまえ、ぬすまれたお金をおばあさんにかえしてあげたのです。
「うむ、これにて、一件落着(いっけんらくちゃく)!」

おしまい

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