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4年生の江戸小話(えどこばなし)
貧乏神(びんぼうがみ)へのごちそう
貧乏(びんぼう)な男がおりました。
年ごとに貧乏(びんぼう)になるので、
「これは、貧乏神(びんぼうがみ)をごちそうすれば、少しは貧乏(びんぼう)でなくなるかもしれん」
と、自分の食べる分も食べずに、貧乏神(びんぼうがみ)のところにさし出しました。
ところが、前にもまして、ますます貧乏(びんぼう)になるいっぽうです。
腹(はら)を立てた男は、
「これ、貧乏神(びんぼうがみ)よ。こんなにごちそうするのに、なにがふまんで、ますます貧乏(びんぼう)にするんだ」
と、大声でどなると、貧乏神(びんぼうがみ)は、
「あまりいごこちがよいので、女房(にょうぼう)や子どもらもつれてきた」
おしまい