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6年生の江戸小話(えどこばなし)
昼寝(ひるね)
昼寝(ひるね)ばかりしている、寺子屋(てらこや)の先生がおりました。
先生ばかりが昼寝(ひるね)して、弟子が、ちょっとでも昼寝(ひるね)をすると、ひどくしかります。
あるとき、弟子のひとりが、
「先生ばかり昼寝(ひるね)をするのは、どういうことでございますか?」
と、きくと、先生は、
「おれは、まい日ゆめで、菅原道真公(すがわらのみちざねこう→学問の神さま)とあい、教えをうけているのだ」
と、いいます。
ところが、その次の日になりますと、きのうの弟子が、先生より先に、さっさと昼寝(ひるね)をしております。
これをみつけた先生は、おこって、
「おい、昼寝(ひるね)をしてはいかんと、いってあるではないか!」
と、しかりますと、弟子は、
「わたしも、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)と、ゆめでおあいしておりました」
「なにを、ごうじょうなやつめ。ほんとうに菅原道真公(すがわらのみちざねこう)にあったんだったら、なんといわれたか、いってみい」
「はい。夢の中で道真公(みちざねこう)は、先生には一度もあったことはないと、もうされました」
おしまい