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4年生の江戸小話(えどこばなし)
バカむすこ
十四、五歳(さい)になったのに、まのぬけたことばかりしている、むすこがおります。
ある日、表からかけこんできて、いいました。
「かかさん、かかさん、銭(ぜに)をひろったよ。しかも小判(こばん)だ!」
「おお、よくひろった! えらいよ! それにしても、小判(こばん)をおとすようなバカもいるものね。どれ、みせてごらん」
すると、むすこ、
「いや、ひろったことはひろったけど、ここにくるまでに、おとしてしもたわ」
おしまい