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ほいくえん・ようちえん の せかいむかしばなし

はな と おひさま
あんでるせん どうわ → あんでるせんどうわ の せつめい
それは さむいさむい ふゆの ことでした。
ゆきの まじった つめたい かぜが ふいて いました。
けれども へやの なかは きもちよく あたたまって いました。
ここは じめんの なかの へやです。
そこには はなが ねむって いました。
おいもの ような ねっこの なかに すやすやと ねむって いるのでした
あるひ あめが ふりました。
あめの しずくは つちの なかまで しみこんでいき はなの ねっこを ゆすぶりました。
「おきなさいな おきなさいな」
「う うーん・・・」
はなの ねっこは なかなか めを さまそうと しません。
そのうちに はるが きて あたたかい おひさまの ひかりが さすように なりました。
おひさまの ひかりは つちの あいだを くぐって はなの ねっこの ところまでも はいって いきました。
そして はなの ねっこを すこしずつ あたためて やりました。
「ああ からだの なかが むずむず するわ。 てあしを うーんと おもいっきり のばしたいわ」
ねっこは めを さまして そんなことを いいました。
また あめが ふりました。
あめは つちのなかに しみこみました。
はなの ねっこを くるんでいる うすい かわを ぬらして やわらかく しました。
そこへ また あたたかい おひさまの ひかりが はいってきて ぽかぽかと あたためました。
「ああ もう じっと しては いられないわ」
と はなの ねっこは いいました。
まもなく ねっこは しろい ひげのような ねを だしてきました。
それから うすみどりの めを のばして きました。
めは おひさまを いっぱい あびようと おひさまの ひかりが くるほうへと のびていきました。
そして とうとう つちの うえに でてきました。
「まあ なんて あかるいんでしょう」
めは まぶしくて こまりました。
すると おひさまは
「いいこ いいこ」
と やさしく きもちのいい ひかりで ちいさいめを つつみました。
そよそよと かぜが ふいていきます。
「あっ めだよ。 めが でたよ」
どこかで ことりが たのしそうに うたいました。
めは うれしくなりました。
めは いちにちごとに おおきく なりました。
もう おひさまも まぶしく ありません。
ぐんぐん ぐんぐん のびて いきました。
「しっかり しっかり」
と おひさまが はげましました。
はなは まもなく かわいい つぼみを つけ きれいな はなを さかせました。
ほら あなたの おにわに さいている はなが そのはなですよ。
おしまい

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