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2月4日の世界の昔話
しおづけのニシン
イギリスの昔話 → イギリスの国情報
むかしむかし、イギリスのゴタムという村に、すこしかわった人たちがすんでいました。
海からとおいゴタムの村では、しおづけのニシンはたいへんなごちそうです。
「なんとかして、ニシンをもっとたくさん手にいれることはできないかしら?」
と、村の人たちはかんがえました。
そこでふと、一人があることを思いつきました。
「そうだ、みんなのうちにとってあるしおづけのニシンを、村の池の中にいれておけばいい。そうしたら、来年には池の中で子どもがうまれて、たくさんのニシンになるだろう」
「なるほど! それはうまいかんがえだ」
と、みんなはその考えに賛成しました。
そこで、しおづけのニシンをしまっている人たちはみんな、村の大きな池のそばにニシンをかかえてあつまってきました。
「さあ、ここへみんなのニシンをいれておいたら、来年には池いっぱいにふえて、わしらは王さまみたいにニシンをはらいっぱいたべることができるだろう」
「来年が、たのしみだ」
人びとはもってきたしおづけのニシンを、みんな池の中へなげこみました。
さて、それから一年ほどたって、村人たちは池へなげいれたニシンを見ようとあつまってきました。
「さあ、ニシンの子どもが、うんとうまれているかな?」
そういって、みんなでさかなをとるアミをなげこみました。
ところがアミをひきあげてみると、大きなウナギが一ぴきとれただけで、ほかのさかなのすがたはありません。
「あれ? ニシンはどうしたんだ?」
「きっと、このウナギがニシンをみんなくってしまったんだろう。そうにちがいない」
「ええい、にくいウナギめ! どうしてやろうか」
「ころしてしまえ!」
[でも、ただころすだけじゃおさまらないぞ。もっとひどいめにあわせてやりたいな」
「じゃあ、こいつをおぼれ死にさせてやろう」
「そうだ、それがいい」
そこで村の人たちは、そのウナギをこんどはべつの大きな池へつれていって、そこヘドブンとなげこみました。
ウナギは助かったとばかりに、水の中へと泳いでいきます。
「どうだ、ウナギめ。おまえはこれでおしまいだな。おれたちのごちそうをよこどりしたばつだ」
みんなはウナギがおぼれしんだとおもい、そのまま村へ帰っていきました。
おしまい