森を歩き回っていたライオンが、うっかりイバラを踏んで、足にトゲを刺してしまいました。
『私には、あなたの助けが必要です』
ヒツジ飼いは勇敢にも、このライオンを調べてやり、足に刺さったトゲを見つけると、ライオンの前足を自分のひざの上に乗せて、そのトゲを抜いてやりました。
痛みのなくなったライオンは、ヒツジ飼いにもう一度頭を下げると、森へと帰って行きました。
ヒツジ飼いが何度も無実を訴えますが、裁判官は聞き入れてくれません。
しかし、死刑のためにオリから放たれたライオンは、あの足にトゲが刺さっていたライオンでした。
やさしい目で頭を下げると、そっと前足をヒツジ飼いのひざへと置きました。
王さまはこの話を耳にすると、すぐにライオンを森へ返してやり、ヒツジ飼いも無罪にして家に帰らせてやりました。 おしまい |
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