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7月10日のイソップ童話
サヨナドリとタカ
高いかしの木にサヨナドリがとまって、いつものように歌を歌っていました。
一羽のタカが、それを見つけました。
タカはちょうど食べ物がなくておなかを空かせていたので、サヨナドリにおそいかかり、押さえつけました。
このままでは殺されてしまうと思ったサヨナドリは、タカにいいました。
「タカさん、放して下さい。わたしのようにちっぽけな鳥を一羽食べたって、あなたのおなかがいっぱいになるはずはないでしょう。食べるのならわたしよりももっと大きな鳥をつかまえて下さい」
タカは答えました。
「なにをいうか。こうやってちゃんとつかまえたえものをみすみす放り出して、まだ見つかりもしないえものをさがしにいくほど、おれはバカじゃないぞ」
人間でも同じ事です。
大きなもうけをしようとよくばって、いま持っているものをすぐに放り出すのは、おろかものがすることです。
おしまい