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8月21日のイソップ童話
腹のふくれたキツネ
おなかをすかせたキツネが、カシの木のうろにヒツジ飼いたちがおいていったパンと肉があるのを見つけて、うろの中にもぐりこみ、そのパンをぜんぶ食べてしまいました。
ところが、いままでペチャンコだったおなかがすっかりふくらんでしまったので、うろの口から出られなくなりました。
キツネは泣いたりわめいたりしましたが、どうにもなりません。
そこへ、べつのキツネがとおりかかり、泣きごえを聞きつけてそばにきて、なぜ泣くのかとたずねました。
わけを聞くと、このキツネは、
「ふーん、そういうことか。それなら、うろに入った時と同じように腹がひっこむまでそこにいろよ。そうなれば、すぐに出られるにきまっているよ」
このお話しは、こまった事になっても、あわてずにしんぼう強く待っていると、うまく切りぬけられることがあると言うことをおしえています。
おしまい