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9月9日のイソップ童話
ヒツジ飼いとヒツジたち
ヒツジ飼いが、ヒツジをカシの林に連れていきました。
一本の大きなカシの木に、たくさんドングリがなっています。
ヒツジ飼いはその木の下にマントをひろげて、自分は木にのぼって、枝をゆすってドングリを落としました。
ヒツジたちは落ちてくるドングリをよろこんで食べましたが、ついうっかりして、ヒツジ飼いのマントまで食べてしまいました。
ヒツジ飼いが木からおりてきて見ると、マントが食べられていたので、大声でどなりました。
「ひどいやつらだなあ。ほかの人には着物をつくる羊毛をあたえるくせに、そだててやっているおれからは、大切なマントまでとりあげるなんて」
このヒツジたちのように、ほかの人には親切にして、身内の人をないがしろにする人がおおぜいいます。
おしまい