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10月3日のイソップ童話
どろぼうとニワトリ
どろぼうが、ある家にしのびこみました。
一羽のニワトリのほかは、なんにも見つかりません。
しかたがないので、どろぼうはニワトリだけをぬすんで引き上げました。
ニワトリは、しめ殺されそうになったので、
「お願いです。ぼくを殺さないで下さい。だってぼくは、人間たちが仕事におくれないように、くらいうちから時をつくって、目をさまさせてあげる役に立つ鳥なのですもの」
「だから、よけいにおまえを殺さなくてはならないんだ。おまえが人の目をさまさせるのが、おれたちの仕事のじゃまになるんだからな」
よい人の役に立つことが、悪い人をこまらせるということを、このお話しはしめしています。
おしまい