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12月2日のイソップ童話

コウモリとイバラとカモメ

コウモリとイバラとカモメ

 コウモリとイバラとカモメが、いっしょに商売をすることになりました。
 そこでコウモリは、商売の元手にするために、お金を借りてきました。
 イバラは布地をしいれ、カモメは銅をしいれました。
 しいれがすむと、それを船に積み込んで、海に乗り出しました。
 ところがはげしい嵐がおこって、船は沈み、積み荷もなくなってしまい、命だけようやく助かりました。
 このときから、カモメはいつも波打ちぎわを見はって、なくなった積み荷の銅を海がかえしてくれるのを、待つようになりました。
 コウモリは借金取りが来るのがこわくて、昼間はかくれ、夜だけこっそりエサをさがしに出かけるようになりました。
 そしてイバラは、とおりかかる人の着物をひっかけては、それが自分のしいれた布地ではないかと、いちいちたしかめるようになったのです。

 このお話しのように、だれでも損をした事は、いつまでもわすれないものです。

おしまい

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