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12月5日のイソップ童話
鳥刺しとシャコ
鳥刺しの家に、夜遅くお客さまがきました。
なにもごちそうするものがないので、鳥刺しはかっているシャコをつかまえて、しめ殺そうとしました。
シャコはふんがいして、
「あなたは、なんて恩知らずでしょう。わたしはいつだっておとりになってなかまのシャコをおびきよせて、あなたにとらせてあげてるのに、それなのにわたしを殺す気ですか」
それを聞いて、鳥刺しはいいました。
「だからよけい、おまえを殺さなければならないんだ。何しろおまえは、自分のなかままで、ひどい目にあわせるやつなのだから」
自分の身内をうらぎる人は、うらぎられた人だけでなく、その人をひきわたした相手の目から見ても、信用できない悪者だということを、このお話しはおしえています。
おしまい