疲労を回復する お薬童話 福娘童話集
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おわかれにきたむすめ

おわかれにきたむすめ

 むかしむかし、ある村に、ひとりぐらしのおばあさんがいました。
 むすめをとおくの町へお嫁にやってしまってから、ながいことひとりぐらしです。
「このあいだの、むすめのてがみでは、からだがおもわしくないといっていたが、いまごろ、どうしておるかいのう?」
 あるばん、おばあさんがしんぱいしていると、いつかえってきたのか、むすめがボンヤリとたっていました。
「よくかえった。さあ、おあがり」
 すると、むすめはスーッと、ざしきにあがってきて、おばあさんにおじぎをしました。
 ニコリともしないし、ひとこともしゃべりません。
 むすめはぶつだんに手をあわせると、まもなく、スーッと、きえてしまいました。
「ふしぎなこともあるもんじゃ。むすめがきていたあのきものは、嫁にやるときにもたせてやったもの。むすめにまちがいないのに、どうして、ひとこともいわないで、かえってしまったんじゃろ」
 さて、つぎの日。
 おばあさんのところに、町からつかいがきました。
 むすめがきのうのばん、いきをひきとったというのです。
「それは、何時ごろのことで、むすめが死んだときに、これこれこういうがらのきものをきておらなかったじゃろか?」
 おばあさんがきくと、
「はい。そのとおりですが、どうして、知っているんです?」
 つかいの男がたずねかえしました。
「やっぱり、あれはむすめがゆうれいになって、おわかれにきてくれたんだね」
 おばあさんからわけをきいた男は、くびをひねりながら、かえっていきました。

おしまい

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