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2月15日の日本の昔話
ネズミのよめいり
むかしむかし、ネズミの一家がいました。
父さんネズミと母さんネズミと一人娘のチューコです。
「ねえ、おとうさん。そろそろチューコにも、おむこさんを見つけなくてはなりませんね」
「そうだな、チューコは世界一の娘だから、世界一のおむこさんを見つけてやらないとな。ところで、世界一強いのは、やっぱりお日様だろうな」
父さんネズミと母さんネズミは、お日様のところへ行って頼んでみました。
「世界一強いお日様。チューコをお嫁にもらってくれませんか?」
「そりゃうれしいが、雲はわしより強いぞ。わしをかくしてしまうからな」
そこで、父さんネズミと母さんネズミは、雲のところへ行ってみました。
「世界一強い雲さん。チューコをお嫁にもらってくれませんか?」
「そりゃうれしいが、風はわしより強いぞ。わしを簡単にふきとばしてしまうからな」
そこで、父さんネズミと母さんネズミは、風のところへ行ってみました。
「世界一強い風さん、チューコをお嫁にもらってくれませんか?」
「そりゃうれしいが、壁はわしより強いぞ。わしがいくら吹いても、わしをはね返してしまうんじゃ」
そこで、父さんネズミと母さんネズミは、壁のところへ行ってみました。
「世界一強い壁さん。チューコをお嫁にもらってくれませんか?」
「そりゃうれしいが、わしよりも強いものがいるぞ。それはネズミじゃ。ネズミにかじられたら、わしもおしまいだからな」
「なんと、世界で一番強いのは、わしらネズミだったのか」
そこでチューコは、めでたくネズミのお嫁さんになりました。
おしまい