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9月27日の小話
最後のうそ
むかしむかしの話です。
あるところにうそつき名人がいました。
その名人は年を取って体が弱くなり、もうすぐ死ぬばかりとなりました。
「うそつき名人といっても、悪いうそはつかず、うそで人をわらわせる、いい人だった」
みんな、そういってうそつき名人のところへ集まってきました。
すると、うそつき名人は小さな声でいいました。
「みなさん、どうか元気でくらしてください。そのためのお金を少しばかり用意しています。わたしが死んだら、この家のゆか下を掘ってみてください。つぼの中にお金が入ってます」
まもなく、うそつき名人は亡くなりました。
お葬式(そうしき)がおわると、みんなはゆか下を掘ってみました。
うそつき名人がいったとおり、つぼが出てきました。
そのつぼのふたを取ってみると、一枚の紙が入っていました。
その紙には「みなさん、これがわたしの最後のうそです」と書いてありました。
おしまい