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10月16日の日本の昔話
腰折れスズメ
腰骨拗斷个屋簷鳥
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、あるところに、心やさしいおばあさんと欲深いおばあさんがとなり合わせに住んでいました。
頭擺頭擺,在某隻位所,有一個好心个老阿婆摎一個貪心个老阿婆,兩儕戴兩隔壁。
ある朝、心やさしいおばあさんが、ほうきで庭をはいていますと、庭のすみの草むらでチイチイと悲しそうに鳴くスズメがいました。
有一日朝晨,好心个老阿婆擎袪把掃丹墀坪个時節,丹墀坪个角頭个草竇肚,有一隻叫到啾啾滾个屋簷鳥。
「おおっ、可哀想に」
「唉哦,還衰過!」
心やさしいおばあさんがスズメを手のひらにそっとのせますと、なんとスズメの腰の骨が折れているではありませんか。
好心个老阿婆摎屋簷鳥捉起來輕輕放在手巴掌,腰骨仰會斷忒。
おばあさんはそのスズメを家へ連れてかえり、一生懸命に看病しました。
阿婆摎屋簷鳥帶轉屋下去,盡命牯看顧佢,
するとだんだん、スズメの傷は治っていきました。
所以屋簷鳥个病漸漸好了。
ある日の事、スズメが何か言いたそうにしています。
有一日,屋簷鳥像形想愛講麼个樣。
「どうしたんだい?ああ、元気になったので、お家に帰りたいんだね」
「仰般形?啊,病好了,想愛轉係無?」
おばあさんがスズメを庭先に出してやると、スズメは元気よく飛んでいってしまいました。
老阿婆摎屋簷鳥放在丹墀坪个頭前時節,屋簷鳥當有精神飛起來。
「よかったわ、あんなに元気になって。でも、あのスズメがいなくなると、なんだかさみしいね」
「還好哪,病好了,毋過,該隻屋簷鳥無在个時節,還孤栖呢。」
それから何日かたったある朝、いつものようにおばあさんが庭をほうきではいていますと、なにやらなつかしい鳴き声が聞こえてきます。
經過幾日,有一朝晨,老阿婆摎平常共樣,擎等袪把掃丹墀坪个時節,仰會聽著有當想念叫聲。
「あれあれ、あんたはあの時のスズメかい?うれしいね、会いに来てくれたのかい」
「該位該位,你係該擺該隻屋簷鳥無?還歡喜,出來摎𠊎會面係無?」
スズメはうれしそうに鳴くと、おばあさんの前に小さなタネを落として、そのまま飛んでいってしまいました。
屋簷鳥像形當歡喜樣叫个時節,有一隻細細个仁跌在老阿婆面頭前,屋簷鳥斯飛走了。
そのタネは、ひょうたんのタネです。
該係葫蘆瓠个仁。
おばあさんはスズメにもらったひょうたんのタネを、庭にまきました。
老阿婆摎葫蘆瓠个仁點在丹墀坪。
やがて秋になり、スズメのくれたひょうたんは立派に成長して、たくさんのひょうたんが実りました。
無幾久秋天到了,屋簷鳥送个葫蘆瓠仁生著盡靚,葫蘆瓠打著當結。
そしてすっかり大きくなったひょうたんを取ってみると、なんだかすごく重たいのです。
熟个摘下來个時節,感覺仰會恁重。
「おや?どうしてこんなに重たいのかね?何かが入っているような」
「阿姆哀!仰會恁重呢?裡肚有放麼个敢?」
おばあさんがそのひょうたんを割ってみますと、不思議な事に中にはお米がたくさんつまっているのです。
老阿婆摎葫蘆瓠剖開來看,想毋解个事情,裡肚有淰淰个米。
「あれまあ、不思議な事もあるものだね」
「該還想毋解哪。」
おばあさんは、そのお米でご飯をたいてみました。
老阿婆摎米拿來煮看。
そのご飯の、おいしいこと。
煮出來个飯實在好食。
おばあさんはそのひょうたんのお米を近所の人にくばり、あまったお米を売ってお金持ちになりました。
老阿婆摎葫蘆瓠肚个米拿兜去分鄰舍,伸个拿去賣,斯變有錢人。
さあ、それをねたましく思ったのは、隣の欲深いおばあさんです。
看著目珠發赤紗个係隔壁貪心个老阿婆。
欲深いおばあさんは庭で遊んでいるスズメに石をぶつけてつかまえると、かわいそうにそのスズメの腰の骨をむりやり折ってしまいました。
貪心个老阿婆拿石頭去擲在丹墀坪尞个屋簷鳥,捉著以後,盡衰過摎屋簷鳥个腰骨強強拗斷忒,
そしてその腰の折れたスズメをかごに入れると、そのスズメに毎日えさをやりました。
所以摎該腰骨斷忒个屋簷鳥放在鳥籠肚,逐日捉蟲仔分佢食。
「さあ、はやく良くなって、わたしにひょうたんのタネを持ってくるんだよ」
「遽兜好,去啣隻葫蘆瓠个仁分𠊎哪。」
そして、一ヶ月ほどがたちました。
過忒成隻月。
「もうそろそろ、いいだろう」
「好了敢!」
欲深いおばあさんは、スズメを庭に連れ出すとこう言いました。
貪心个老阿婆摎屋簷鳥帶去丹墀坪,講:
「今すぐ飛んでいって、米のなるひょうたんのタネを持ってくるんだよ。さもないと、お前をひねりつぶしてしまうからね」
「這下黏時飛出去啣隻葫蘆瓠个仁分𠊎,係無撚分你死。」
スズメのキズはまだ治っていませんが、こわくなったスズメは痛いのをガマンして、そのまま飛んでいきました。
屋簷鳥个傷吂得時好,驚到會死个屋簷鳥高不將忍等痛飛走去。
それから何日かたったある日の夕方、毎日庭先でスズメが帰ってくるのを待っている欲深いおばあさんの前に、あのスズメが現れました。
過一駁仔,有一日臨暗仔,逐日在丹墀坪等屋簷鳥轉來个貪心个老阿婆面前,屋簷鳥出現了。
「やれやれ、やっときたね」
「唉哦,總算倒轉來了!」
欲深いおばあさんはスズメの落としていったひょうたんのタネを拾うと、それを庭にまきました。
貪心个老阿婆拈起屋簷鳥啣來个葫蘆瓠仁,點在丹墀坪。
そのひょうたんのタネはどんどん大きくなって、秋には立派なひょうたんがたくさん実りました。
無幾久秋天到了,屋簷鳥送个葫蘆瓠仁生著盡靚,葫蘆瓠打著當結。
「よしよし、これでわたしも金持ちになれるよ」
「好了好了,有這兜𠊎斯會變有錢人了!」
おばあさんが包丁を持ってきて、一番大きなひょうたんの実を割ってみました。
老阿婆擎支菜刀剖開最大隻个葫蘆瓠來看。
すると中から出てきたのはお米ではなく、毒ヘビやムカデやハチだったのです。
對葫蘆瓠肚走出來个毋係米,係毒蛇、蜈蚣蟲無斯蜂仔。
「ひぇーーー!」
「阿姆哀!」
他のひょうたんからも毒ヘビやムカデやハチなどがたくさん出てきて、欲深いおばあさんにおそいかかったという事です。
其他个葫蘆瓠乜有當多毒蛇、蜈蚣蟲無斯蜂仔,聽講歸群趖到貪心个老阿婆該位。
※よく似たお話しが、外国にもあります。ロシアの昔話→大きなスイカ
盡相像个故事,外國乜有,俄羅个故事︰大西瓜。
※この「腰折れスズメ」の朗読は、以下の方々により、ご提供を受けた作品です。
這故事「腰骨拗斷个屋簷鳥」个朗讀,請參考︰
スタヂオせんむURL
http://sen1.seesaa.net/
おはなしパタくんへのリンクURL
http://patakun.seesaa.net/
おしまい
煞咧
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