むかしむかし、ギリシアの国に、たいそうはたおりの上手な女の子がいました。 女の子の名前は、アラクネと言います。 アラクネのおるおり物の美しさは大変な評判(ひょうばん)で、国中に知れ渡りました。 いや、国中どころか、外国にまで有名になりました。 「まったく、アラクネのおり物ときたら、すばらしい」 「その通り。世界中で、あたしぐらいはたおりの上手な者はいないでしょう。 はたおりの神さまのアテナさまだって、あたしほど上手におる事は出来ないわ」 「なんてうぬぼれの強い子だろう。よし、わたしが行って、たしなめてやろう」 「なるほど、お前さんはなかなかはたおりが上手だね。大したもんだ。でもね、いくら上手だからって、神さまをバカにしてはいけないよ」 「何を、なまいきなっ!」 「さあ、わたしとはたおりの竸争をしよう」 アテナとアラクネは、はたおりの競争を始めました。 どちらも負けるものかと、夢中で布をおります。
ところがアラクネのおったもようは、神さまたちがけんかをしている様子でした。 「お前は、よくも神さまをバカにしたね!」 アテナはカンカンに怒って、アラクネのおった布をズタズタに引き裂くと、アラクネの頭をつえで三回叩きました。 アラクネの体はみるみるうちに小さくなり、フサフサと美しかった髪の毛もなくなり、お腹がふくらんできました。
「うぬぼれのおバカさん、そんなにじまんするのなら、いつまでもはたをおっているがいい」 おしまい |
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