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11月7日 立冬

11月7日 立冬

 一年を24に分けて季節を表す二十四節気の一つが立冬です。
 立冬は、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目を示します。
 例年、11月7日頃が立冬となり、冬が始まります。
 二十四節気では立冬の次は11月23日の小雪(しょうせつ)」です。

記念日アニメ
11月7日 立冬

雪に関する昔話
(中国の昔話)


福娘童話集より

 むかし、冬がきて寒くなると、雪のかわりに空から、お砂糖や小麦粉の降ってくる村が中国にありました。
 その村では、初めの日に小麦粉が降ってくると、そのつぎの日は、お砂糖がたくさん降ってくるのです。
 お砂糖と小麦粉が、かわりばんこに空から降ってくる、そんな日が、十日も十五日も続くのです。
「やあ、今年も降ってきたぞ、白い粉が」
 小麦粉の白い粉が降りだすと、村の人たちは、おけや水がめや、そのほか、いろんな入れ物を持ち出して、せっせと粉を集めます。
 そしてそれを袋に入れて、大きな蔵に、いっぱい粉の入った袋をつめこみます。
「やあ、きょうは、甘い砂糖だぞ」
 お砂糖も、小麦粉と同じで、砂や土がまじらないように、きれいに集めておきます。
 こうして、一年分のお砂糖と小麦粉をたくわえてしまうと、村の人たちは、遊んで暮らせばいいのです。
「やあ、けっこう、けっこう。今年も働かなくていいわけだ」
「ほんとうにありがたいねえ。毎日、寝ころがっていればいいんだから」
 村の人たちは、ほかの村の様に、畑を耕して麦や豆をつくろうとしません。
 おなかがすいたら、おだんごや、砂糖菓子をつくって食ベればいいわけですから。
 しあわせなことに、毎年毎年、冬になると、お砂糖も小麦粉も、じゅうぶんに空から降ってきました。
 ところが、前の年の小麦粉やお砂糖が、蔵にたくさん残っているうえに、今年の分が集まるものですから、入れる所がなくて、はみ出してしまいます。
 そうなると、村の人たちの心の中に、ありがたいという気持ちなどは、すっかりなくなって、小麦粉やお砂糖を、そまつにするようになりました。
 子どもたちまで、小麦粉をおだんごにして、石のように投げてみたり、池にお砂糖を流して遊んだりしました。
 やがて、今年も冬がやってきました。
 けれども、村の人たちは、空からの贈り物を待ってはいません。
 もう、あり余るほど、前の年の分が残っていたからです。
 そのうちに、また、白い粉が降ってきました。
 みるみるうちに、あたり一面、まっ白に積もりました。
 そのとき、外で遊んでいた子どもたちが、奇妙な叫び声をあげました。
「あれー! 砂糖じゃないぞー!」
「小麦粉でもないぞー!」
「冷たい、冷たい、冷たい!」
「口の中へ入れたら、とけてなくなるよー!」
 驚いて、おとなたちも外へ飛び出してきました。
「ほんとうだ。冷たくて、口に入れると、とけてしまうぞ!」
 空から降ってきた白い粉、それは、お砂糖でもない、小麦粉でもない、ふつうの雪だったのです。
 そして、そのつぎの年も、またつぎの年も、もうお砂糖や小麦粉は、けっして降ってきませんでした。
 たくわえてあったお砂糖や小麦粉もついになくなり、すっかりなまけ者になってしまった人たちは、たいへん困ったということです。

おしまい

他の記念日

知恵の日
朝日新聞社が1988(昭和63)年、『朝日現代用語 知恵蔵』発刊の時に制定。

鍋の日
食品メーカー・ヤマキが制定。
この日が立冬になることが多いことから。

ロシア革命記念日 (ソビエト連邦)
1917(大正6)年、ロシア10月革命でソビエト政権が樹立されました。
2月革命でロマノフ王朝が倒され、ケレンスキーらの臨時政府が支配していましたが、レーニン、トロツキーらのボルシェビキ(ロシア共産党)が勢力を拡大し、この日(ロシア暦10月25日)、首都ペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)で武装蜂起し、労働者らで結成された赤衛軍が政府のある冬宮に突撃しました。同じ日に開かれた全ロシア・ソビエト大会で人民委員会が設立され、レーニンが議長に就任しました。

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