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イラスト たつよ 提供 らくがきの日常
きんぴか の やかん
(にほんのむかしばなし)
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むかしむかし、ある おてら の ゆかした に、タヌキ が すんで いました。
この タヌキ は あたまのけ が うすい こと から 『はげダヌキ』と よばれて いたのですが、
なんと この はげダヌキ は ひとだすけ が だいすき なのです。
ある とし の くれ の こと、はげダヌキ が おてら の ちかく の とうふや へ あぶらあげ を もらい に いく と、
とうふや の しゅじん が ためいき を ついて いました。
「こまったな。こうも おかね が なくては、とうふ を つくる まめ も かえない」
これ を きいた はげダヌキ は、とうふや の しゅじん に いいました。
「しんぱい せず とも だいじょうぶ。
いつも おいしい あぶらあげ を いただいている おんがえし に、おいら が なんとか しましょう」
そして はげダヌキ は、きんぴか の やかん に ばけて
じぶん を うる ように いった の です。
やかん は まもなく、とおりかかった かねもち の だんな に かいとられました。
「これ は よい かいもの を した。まったく すばらしい やかん だ。
もっと みがけば、もっと ひかる かも しれんぞ」
だんな は さっそく、やかん を みがき はじめました。
やかん に ばけていた はげダヌキ は、くすぐったい やら いたい やら。
でも、ばれては いけない ので、じっと がまん している と、みがかれすぎて、
ただでさえ うすい あたまのけ を ツルツル に されて しまいました。
(ああっ、たいせつ な あたまのけ が・・・)
これいじょう みがかれては たまらない ので、
はげダヌキ は だんな が て を はなした すき に にげだして、
おてら の ゆかした に かくれました。
「ああ、こんな ツルツル あたま では、はずかしくて どこにも いけない や。
でも、とうふや に おんがえし が できて よかった、よかった」
それから も はげダヌキ は ひとだすけ を つづけて、ひとびと に たいせつ に された と いうことです。
おしまい
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