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    福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) おさかべ姫 
         
          おさかべ姫 4kHD 
          Anime size  Max 3840×2160 subtitles 「Japanese」「English」 
          
           
illustrator 緑風   ひお 
         
        イラスト版  英語版 
      
       あまりの美しさに白鷺城(しらさぎじょう)とよばれ、国宝であり世界遺産でもある姫路城に、古くから伝わるお話しです。 
          
      むかしむかし、このお城の天守閣(てんしゅかく)に、幽霊(ゆうれい)が住みついているとのうわさがたちました。 
       そのため昼間でも、天守閣には誰一人近づきません。 
       
       ある雨の夜の事。 
         お城に泊まり込んで、一晩中起きている役目の五人の侍(さむらい)たちが、 
        「幽霊の正体(しょうたい)は、何者だろう?」 
      と、話していました。 
       
       すると、一番若い侍が、 
      「わたしが、見届けてまいります」 
      と、ロウソクを手に、天守閣への暗い階段を登って行きました。 
       
      天守閣は、お城のてっぺんにある部屋です。 
      侍が天守閣に登り着くと、戸のすき間からボンヤリと明かりがもれているではありませんか。 
       侍が、中の様子をうかがっていると、 
        「誰じゃ? そこにおるのは、誰じゃ?」 
       部屋の中から、声がかかりました。 
       
       侍が名前を名乗って、なぜここに来たのかをありのままに話しました。 
        「では、お入りなさい」 
       侍は恐る恐る、戸を開けました。 
       するとそこには、女の人が一人、机の前に座っていました。 
      「・・・!」 
       侍は、声をあげそうになりました。 
       
       髪の長い女の人は、十二ひとえの着物に、赤いはかまをはいています。 
       美しい顔立ちですが、その顔色の青白さは生きている人間ではありません。 
       
      「よく来ましたね。 
         わたしは、おさかべ姫。 
         このお城の、主じゃ。 
       お前の勇気をほめて、これをとらせましょう」 
       おさかべ姫は侍に、かぶとの切れはしを渡しました。 
      「ありがとうございます」 
      「しかし、ここは人の来るところではありません」 
        「はっ」 
      「では、おさがりなさい」 
       
       侍は無事に天守閣を出ましたが、背中が冷や汗でグッショリです。 
       侍の仲間は、若い侍が無事に戻って来たので、 
        「どうだ? 正体を見届けたか?」 
        「どんな幽霊だった?」 
      と、口々にたずねました。 
       
       若い侍はかぶとのきれはしを見せると、全てを仲間に話しました。 
       そしてその話は、さっそくお殿さまの耳に入りました。 
       
       次の朝、お殿さまは若い侍をよんで、 
        「おさかべ姫にもらったという、かぶとのきれはしを見せてくれ」 
      と、言いました。 
       
       侍が、かぶとのきれはしを差し出すと、 
      「ふむ。見覚えのあるきれはしじゃ。調べてみよう」 
       
       お殿さまはお城にむかしから伝わっている、よろいかぶとや刀をおさめた部屋を調べました。 
      「やはりこれだ、これに間違いない」 
       かぶとの一つの後ろのしころ(→よろいかぶとの左右から後方にたれて、あごを守る鉄製の物)が、引きちぎられています。 
       きれはしを当ててみると、ピッタリとあいました。 
      「かぶとのしころを引きちぎるとは、恐ろしい力の持ち主。 
       おさかべ姫のたたりを受けないよう、天守閣のわきに明神(みょうじん)さまのほこらをまつろう」 
       
       この時から姫路城ではお殿さまが代わっても、おさかべ姫を恐れてほこらを大切にし続けたという事です。 
      おしまい 
        
         
        
        
      
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