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1月22日のイソップ童話
  
  
  
  
わるぐちをいいあうブタとイヌ
    ブタとイヌが、□ぎたなくののしりあっていました。ブタが、
  「アフロディテ(→詳細)の女神にかけて、おまえなんか、ばりばり食いさいてやるよ」
  といいますと、イヌは皮肉な顔で、
  「ほほう。アフロディテさまにかけてちかいうとは、あんたにしては気がきく話だね。たしかに、おまえさんはアフロディテのお気にいりとみえるね。あの女神は、おまえのそのけがらわしい肉を食った人は、ぜったいに自分の神殿にいれないほどだもの」
    するとブタは、
  「それこそ、女神がわたしをかわいがっている証拠さ。わたしを殺したり、いじめたりする人は、ぜったいに寄せつけないわけだからね。おまえときたら、生きているあいだも死んだ後も、いやなにおいをぷんぷんさせているじゃないか」
  
    この話は、話のじょうずな人は、あいてからあびせられたわるぐちをうまく利用して、自分をほめることばにすりかえてしまう、ということをしめしています。
おしまい