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1月29日のイソップ童話
  
  
  
オオカミと馬
    オオカミが畑をとおりかかって、ムギをみつけました。
    しかし、ムギではエサにならないので、そのままとおりすぎました。
    まもなく、オオカミは馬にあいました。
    オオカミはさっきの畑に馬を連れていって、
  「ほら、ぼくはこのムギをみつけたけれど、自分で食べてしまわないで、きみのためにとっておいたんだ。なにしろぼくは、きみがむしゃむしゃ食べる音を聞くのが、大好きだから」
  といいました。すると馬は、
  「へっへっへ。もしムギがオオカミのエサになるのだったら、あんたが胃袋よりも耳をだいじにするはずは、ぜったいにないだろうねえ」
  
    この話は、悪い人がたまによい人ぶってみせても、ちっとも信用してもらえないということを、たとえています。
おしまい