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2月25日のイソップ童話
  
  
  
家がらくらべをするキツネとサル
    キツネとサルがいっしょに旅をしながら、どちらの家がらがりっぱかについて、いいあらそっていました。
    めいめい、先祖がどんなにえらかったかという話をくどくどしているうちに、ある場所にさしかかりました。
    サルはそのあたりをながめ回して、急になきはじめました。
  「どうしたのです」
  と、キツネがたずねますと、サルはそこにならんでいるお墓をゆびさしてこう言いました。
  「これが泣かずにいられましょうか。だって、この墓はわたしの先祖につかえためしつかいやどれいたちの墓なのですから」
  「へーえ、なるほど」と、キツネがいいました。
  「おまえさん、つきたいだけうそをつくがいいさ。そのお墓に入っている連中は、だれもあそこから出てきて、おまえがうそをついているといないのだから」
  
    うそつきは、うそがばれる心配のない時ほど、おおぼらをふくものです。
おしまい