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5月9日のイソップ童話
  
  
  
水をたたく漁師
    漁師が川で魚をとっていました。
    こちらの岸からむこうの岸まで、川の流れをせき止める形にアミをはっておいて、ヒモの先に小石をくくりつけたもので水をバシャ、バシャとたたくのです。
    すると、おどろいた魚は逃げようとして、アミに引っかかるのです。
    近所に住んでいる人がそれを見て、
  「そんなことをすれば、川の水がにごってしまう。あなたはわたしたちににごった水をのませるつもりか」
  と、おこりました。それに対して漁師は、
  「だけど、この川の水をにごさないようにしていれば、わたしたちがうえ死にしてしまうじゃないか」
  
    こちらが得をすれば、あちらが損をし、あちらが得をすれば、こちらが損をする。こんな状況はよくあります。
おしまい